解釈ガイド
第一印象は何秒で決まる?当たる特性・外れる特性とメラビアンの法則を研究で検証
第一印象は何秒で決まるのか、当たりやすい特性と外れやすい特性、どれくらい続きいつ変わるのか、メラビアンの法則7-38-55の本当の範囲を研究から整理。
第一印象、結論から言うと
「第一印象は数秒で決まる」「言葉よりも表情と声が93%を伝える」といった話を、一度は聞いたことがあるでしょう。初デートや面接、新学期の初日を前に第一印象が気になるのも自然なことです。では、第一印象は本当に数秒で生まれ、どれくらい当たり、一度できたら変わらないのでしょうか。この記事では、これらの問いに研究で答えます。
結論から言うと、第一印象は本当に速く生まれます。見知らぬ顔を0.1秒見ただけで、人は魅力や信頼できそうかといった印象を決め、その判断は時間制限なしで見た人たちの判断と高い相関を示しました(Willis & Todorov, 2006)。ただし、速く生まれるからといって正確だとは限りません。短く見ただけでも、外向性のように表に出やすい特性は偶然よりよく当てられましたが、協調性のように表に出にくい特性はもっと長く見る必要がありました(Borkenau & Liebler, 1992; Carney ほか, 2007)。顔立ちから受ける印象は人どうしで似通っても、その印象が人の本当の姿を教えてくれるという主張は大きく誇張されてきたと評価されています(Todorov ほか, 2015)。最初に聞いた情報が後の情報の読み取り方に影響するのは確かですが、その効果は小さいこともあり(Sullivan, 2019)、前の出来事を違って見せる新しい情報が入ると、印象がひっくり返ることもありました(Mann & Ferguson, 2015)。そして「言葉は7%だけ」というメラビアンの法則は、好き嫌いの気持ちを伝える特殊な実験から出た数字なので、会話全体には当てはまりません(Lapakko, 2007)。
この記事では、第一印象は何秒で生まれるのか、第一印象はどれくらい当たり、どんな特性が見えやすいのか、顔だけで判断するときの落とし穴、第一印象はどれくらい続き、いつ変わるのか、メラビアンの法則の本当の範囲、そして第一印象と現実的に付き合う方法を順に整理します。顔立ちから性格を読む人相についての研究は、人相の科学的根拠のガイドでより詳しくまとめています。ここで紹介する結果は多くの人を平均した傾向なので、特定のひとりに対する第一印象が当たっているかどうかを判定するものではありません。
第一印象は何秒で生まれる?0.1秒に満たない瞬間から数分まで
最もよく引用される数字は0.1秒です。2006年に発表された五つの実験で、研究者は見知らぬ人の顔写真を見せる時間を変えながら、魅力、好感、信頼できそうか、有能さ、攻撃性を判断してもらいました。0.1秒(100ミリ秒)見ただけの判断は、時間制限なしで見た人たちの判断と高い相関を示し、見る時間を延ばしてもこの相関は有意には高まりませんでした。時間を延ばすと、主に判断への自信が強まり、印象が少し細かくなりました(Willis & Todorov, 2006)。無表情の顔が脅威的に見えるかを判断した別の研究では、最初の39ミリ秒(0.039秒)のうちに見えた情報だけでも一貫した判断が生まれましたが、同じ条件で知能を判断したときは一貫性が下がりました(Bar ほか, 2006)。ただし、これらの実験で判断が一貫していた、相関が高かったというのは、判断どうしが似ていたという意味であって、写真の人の実際の性格と合っていたという意味ではありません。
顔写真ではなく、実際の行動を短く見せた研究もあります。研究者は、こうした短い観察を「薄い切片(thin slices)」と呼びます。1992年のメタ分析は、5分に満たない短い行動の観察からさまざまな客観的な結果を予測した38の結果を集め、予測の正確さの全体の効果量はr = .39でした。研究どうしを比べると、30秒に満たない観察からの予測は、4〜5分の観察からの予測と有意な差がなく、顔・話・体・声のどれを見て評価したかも正確さとは関係がありませんでした(Ambady & Rosenthal, 1992)。翌年の研究では、大学の講師の音のない30秒未満の授業映像を見た見知らぬ人たちの評価が、学期末の学生による授業評価を有意に予測し、高校の教師では校長の評価を予測しました。6秒と15秒の映像による評価もこれらの基準と強く関係していましたが、教師の外見の魅力の評価はそれほど強く関係していませんでした(Ambady & Rosenthal, 1993)。
つまり、「第一印象は何秒」という問いに一つの正解はありません。ネットでは3秒や7秒といった数字をよく見かけますが、研究で測られた時間は、何を判断したのか(顔の脅威感なのか、授業の態度なのか)と、何を見せたのか(写真なのか映像なのか)によって、数十ミリ秒から数分まで変わります。また、授業評価を予測できたことは、性格を当てたことと同じではありません。速く生まれた印象が人どうしで似通うことと、その印象が実際の性格と合うことは別の問題なので、次の章でその違いを見ていきます。
第一印象はどれくらい当たる?見えやすい特性と見えにくい特性
初めて見た人の性格をどれくらい当てられるかは、互いにまったく知らない状態(ゼロ・アクエインタンス)を扱った研究で測ります。1992年の研究は、成人100人が部屋に入って歩き、座り、カメラを見て、決められた文章を読む様子を録画し、本人に五つの性格因子を自己評価してもらいました。この人たちを一度も見たことのない24人の見知らぬ人は、音声つきの映像、音のない映像、静止画、録音のうち一つだけを見て性格を評価しました。その評価は外向性と誠実性で本人の評価と最もよく合い、どの情報を受け取ったかによって正確さが変わりました(Borkenau & Liebler, 1992)。初対面から親しい間柄までを扱った32の研究を検討した1994年の論文では、複数の人が同じ人をどれくらい似たように評価するか(合意)は相関0から約.3のあいだで、外向性で最も高く、互いをよく知るほど合意が高まるという証拠はありませんでした(Kenny ほか, 1994)。合意は評価どうしが似ているという意味であって、正確だという意味ではありません。
2007年の研究は、判断する時間を直接変えてみました。大学生30人がほかの参加者と5分間自由に話す映像を、5秒、20秒、45秒、60秒、300秒に切り分けて判断者334人に見せ、性格の基準には本人・仲間・親が答えた性格検査の平均を使いました。否定的な感情、外向性、誠実性、知能は5秒見ただけでもある程度当てられましたが、肯定的な感情、神経症傾向、開放性、協調性は同じくらいの正確さに届くまでにもっと時間がかかり、協調性が最も当てにくい特性でした。全体としては長く見るほど正確になり、長さのわりに得られる正確さは60秒が最も効率的でした。会話の最初の1分より3分目や5分目を見たほうが正確で、研究者は、最初の1分が互いに緊張する自己紹介の段階だからかもしれないと考えました。研究者の言葉を借りれば、第一印象は状況によって「驚くほど当たることも、まったく外れることもある」のです(Carney ほか, 2007)。
なぜ特性によって違うのでしょうか。性格判断の正確さを説明するファンダーの現実的正確性モデル(RAM)によると、判断が当たるには、その特性に関係する行動の手がかりがあり、その手がかりが判断する人の前に表れ、その人が手がかりに気づき、正しく読み取って使う必要があります(Funder, 1995)。外向性のように行動に表れやすい特性は短い出会いでも手がかりが多いのに対して、心の中で感じる特性は手がかりが少ないのです。263の標本、44,178人のデータを集めた2010年のメタ分析でも、よく会うほど正確さは上がりましたが、大きく上がるには親しい間柄であることが必要で、その効果は情緒の安定性のように外から見えにくい特性で特に大きくなりました(Connelly & Ones, 2010)。
第一印象がよいことと、その人がよい人であることも別の問題です。心理学科の新入生73人が短い自己紹介だけを見て互いを評価した研究(2,628組)では、自己愛が高い人ほど第一印象で人気があり、長い目で見ると最も有害な側面である搾取性や特権意識が、最初は最も魅力的に見えました(Back ほか, 2010)。これは多くの人を平均した傾向で、第一印象がよいことが自己愛の高さのしるしになるわけではありません。4〜6人ずつ7回集まった討論グループの研究でも、自分を高く見積もる傾向が強い人は最初の集まりでは協調的で適応がよく、有能に見えましたが、7週間後には否定的に評価されました(Paulhus, 1998)。自己愛についての研究はナルシストのガイドにまとめています。
顔だけで判断するとき:速くて似通うが、当てにしにくい手がかり
第一印象の研究の多くは顔写真を使います。顔から受ける印象が人どうしで似通うことは20世紀の初めから知られていて、最近の研究は、その一致に至るまでに驚くほどわずかな時間と労力しかかからないことを示しました。この分野の研究をまとめた2015年のレビューは、顔の印象が投資の判断やリーダーの選択といった重要な結果を予測するという証拠を紹介しながらも、その印象が人を正しく見抜くという主張は、研究の文献で大きく誇張されてきたと評価しています(Todorov ほか, 2015)。
顔の印象が実際の選択に入り込む様子は、選挙でも見られました。アメリカ議会選挙の候補者の顔だけを見て、どちらがより有能に見えるかを選んだ判断は、偶然より高い割合で選挙結果を予測し、2004年の上院選挙では68.8%と一致しました。こうした有能さの判断は、顔を1秒見るだけでも生まれていました。研究者はこれを、速く深く考えない印象が、合理的に考えて行うと思われている投票にも影響しうるという意味だと解釈しています(Todorov ほか, 2005)。この結果が示したのは、顔が有能さを教えてくれるということではなく、顔の印象が選択を動かしうるということです。
しかも、顔写真1枚はその人を代表しません。同じ人の複数の写真で印象を比べた2014年の研究では、さまざまな社会的判断で、同じ人の写真どうしの違いが別々の人どうしの違いと同じくらいか、それより大きく、オンラインのデート用か選挙用かによって人が選ぶ写真も変わりました(Todorov & Porter, 2014)。マッチングアプリのプロフィール写真や証明写真1枚だけで人を判断しにくい理由の一つです。顔から性格を当てられるのか、AI人相はどうなのかは、人相の科学的根拠のガイドで詳しく取り上げています。
第一印象はどれくらい続く?最初の情報の力と、印象が変わるとき
第一印象は長く続くという考えのルーツには、1946年のソロモン・アッシュの実験があります。一つのグループ(34人)には、ある人を「知的、勤勉、衝動的、批判的、頑固、嫉妬深い」の順で紹介し、もう一つのグループ(24人)には同じ六つの言葉を逆の順で聞かせました。言葉はまったく同じなのに、前の順で聞いた人の多くは「欠点はあるが長所を損なうほどではない有能な人」を、逆の順で聞いた人の多くは「深刻な問題のせいで能力が妨げられている『問題のある人』」を思い浮かべました。衝動的、批判的といった言葉も、順番によってよい意味にも悪い意味にも読み取られました。アッシュは、最初の言葉が方向を決め、後の言葉がその方向に合わせて読み取られる初頭効果としてこれを説明しましたが、すべての参加者に見られたわけではないとも書いています(Asch, 1946)。ただしこの実験が見たのは、一度に聞いた言葉のリストの中での順番の効果で、印象が時間がたっても続くかどうかではありません。
その後の研究でも順番の効果は再び見られましたが、その大きさは思ったより小さいこともあります。「楽しくて、機知に富み、意地が悪い」人が「意地が悪く、機知に富み、楽しい」人よりよく評価されるように、同じ言葉でも順番が印象を変えるのが初頭効果です。合わせて2,882人が参加した五つの実験はこの効果をあらためて確かめましたが、その効果は小さなものでした(Sullivan, 2019)。アッシュの実験は、第一印象では有能さより温かさが大切だという根拠としてもよく引用されますが、これを追試した2014年の研究はそのような効果を見つけられず、温かさの役割は文脈によって大きく変わり、有能さも少なくとも同じくらい大切でした(Nauts ほか, 2014)。
実際の出会いでも、第一印象は跡を残します。2017年の研究では、成人636人がオンライン調査で初めて見る4人の写真を見て好感と性格を評価し、そのうち55人が少なくとも1か月後(平均で約4か月後)に、実験室で写真の人のうちの一人と10分ずつ2回、合わせて20分、一緒にクイズを解いて話をしました。ほとんど(89%)は、相手が以前に見た写真の人だと気づいていませんでした。写真から感じた好感は会ったあとの好感を予測し、性格の判断もそれより弱く引き継がれました(外向性は例外)。写真だけで好感を持った人は会ったときに相手により温かく接し、その結果、相手もより温かく応じたことが理由の一部でした。第一印象が、いわば自己成就的に働いたのです。写真から感じた好感は、会ったあとの好感のばらつき(分散)の約35%を説明し(性格の判断ではそれより低い割合でした)、研究者はこれを、第一印象はかなり引き継がれつつも修正されるという意味だと考えました(Günaydın ほか, 2017)。
では、一度できた印象は変えられないのでしょうか。そんなことはありません。2015年に発表された一連の実験では、参加者は架空の人物が近所の家に侵入して部屋をあさり、物を壊したという話を聞いて否定的な印象を持ちました。ところが、その人は火事の家で子どもを探すために入ったのだと知ると、反射的に浮かぶ自動的な評価が完全にひっくり返りました。ただし、そうなったのは新しい情報が前の情報を違って読み取らせるときだけで、情報をある程度じっくり考える余裕が必要で、変わった評価は3日後も続いていました(Mann & Ferguson, 2015)。逆の方向を調べた研究もあります。大学の研究紹介資料によると、よい行いをたくさん知っていた架空の人物でも、その人の本当の姿を強く表す悪い行い一つを知ると自動的な評価が完全にひっくり返り、こうした情報一つは、よい印象を悪くするには十分でしたが、悪い印象をよい印象に戻すには必ずしも十分ではありませんでした(Cone & Ferguson, 2015)。
メラビアンの法則7-38-55、言葉は本当に7%だけ?
第一印象の話によくついてくるのが「メラビアンの法則」です。相手に伝わるもののうち、話の内容が7%、声が38%、表情が55%を占めるというこの数字は、心理学者アルバート・メラビアンが1967年に発表した二つの研究から生まれました(Mehrabian & Wiener, 1967; Mehrabian & Ferris, 1967)。メラビアン自身が紹介している式は「全体の好意 = 言葉による好意7% + 声による好意38% + 顔による好意55%」です(Mehrabian, 1981)。
ところが、メラビアンはこの式にはっきりとした範囲を設けています。言葉と非言語のメッセージの相対的な重要さについてのこの式は、気持ちや態度、つまり好き嫌いを伝える実験から導かれたもので、話し手が自分の気持ちや態度について話しているのでなければ当てはまらない、というのです(Mehrabian, 1981)。実験もとても限られたものでした。中心となる研究の参加者は心理学を専攻する女子大学生37人で、話の内容は「maybe(たぶん)」という単語一つだけだったため、はじめから言葉が大きな役割を果たしにくい設計でした。数字は二つの研究を組み合わせてつくったもので、どちらの研究も言葉・声・表情の三つを同時に比べてはいませんでした(Lapakko, 2007)。
メラビアンは、自分の研究はよく誤って引用されるとして、言葉があらゆるコミュニケーションの7%にすぎないという解釈はばかげていると述べています。探している消しゴムは3階のオフィスの机の右側の2番目の引き出しにあると伝えるとき、そのメッセージのうち言葉の分が7%だけだと誰が言えるのか、というのです(Lapakko, 2007)。それでも、2007年にこの数字をグーグルで検索し、上位の結果からウェブサイト79か所を調べた研究では、63か所(80%)がこの数字をコミュニケーション全般についての事実のように書き、気持ちを伝える意味についての結果だと正しく説明していたのは1か所だけでした(Lapakko, 2007)。
ですから、メラビアンの結果から得られる教訓は「言葉は大切ではない」ではありません。この実験の条件で、好き嫌いを伝える言葉と声・表情が食い違うとき、聞き手は声と表情のほうを重く見た、という程度です。面接や初対面で何を話すかは今でも大切で、気持ちを伝えたいなら、言葉と口調が同じことを語るようにするのがよいでしょう。
第一印象と現実的に付き合うには
一つ目に、ほかの人を見るときは、第一印象を結論ではなく仮説として持っておきましょう。外向性のように表に出やすい特性は短い出会いでもある程度当たりますが、協調性は短く見ただけでは最も当てにくく(Carney ほか, 2007)、情緒の安定性のように外から見えにくい特性は、親しい間柄になってはじめて大きく正確になりました(Connelly & Ones, 2010)。特に顔立ちや写真1枚で人を選んだり外したりすると、根拠の弱い印象がレッテルになりやすくなります(Todorov ほか, 2015; Todorov & Porter, 2014)。自分が抱いた第一印象が相手への接し方を変え、その接し方がまた相手の反応を変えうることも、覚えておくとよいでしょう(Günaydın ほか, 2017)。
二つ目に、自分の第一印象が気になるなら、相手は思っているより自分をよく見ていたかもしれない、というところから考えてみましょう。初めて会った人と話したあと、人は相手が自分をどれくらい好きで、会話をどれくらい楽しんだかを一貫して低く見積もっていました。実験室で初めて会った人どうし、寮のルームメイトと知り合っていく大学1年生、ワークショップで初めて会った一般の人たちのいずれでもこの「好意のギャップ」が見られ、会話の長さにかかわらず現れ、数か月続くこともありました(Boothby ほか, 2018)。
三つ目に、よい印象を与えようとする努力は、必ずしも仮面をかぶることではありません。初対面の場で「いちばんよい自分を見せてください」と案内された人は、そうでない人より好感を持たれただけでなく、本人が答えたその人らしい性格特性や知能検査の点数により近く評価されました。研究者は、この人たちが会話により積極的に参加したからかもしれないと分析しています(Human ほか, 2012)。新しく出会ったクラスメートのあいだでは、相手の性格をより正確に見ていた場合、学期を通してより多く交流し、学期末により好感を持っていました。相手を好意的に見るほうに傾いた第一印象も、関係が親しくなることを強く予測しました(Human ほか, 2013)。第一印象を飾るテクニックより、会話に関心を持って自分を見せるほうが研究の結果とよく合います。
四つ目に、第一印象がうまくいかなかったなら、次に会ったときに背景を伝えてみましょう。実験では、前の出来事を違って読み取らせる新しい情報が印象を変えました(Mann & Ferguson, 2015)。架空の人物を扱った実験なので現実にそのまま当てはめることはできず、「あの日は緊張して口数が少なかったんです」といった説明も研究で直接試した文ではありませんが、以前の様子を見直してもらう説明は試してみる価値があります。初めての人に会うことが怖くて何度も避けてしまったり、日常生活がつらくなったりしているなら、第一印象のコツより社交不安のガイドのほうが役に立つかもしれません。mind.ioのビッグファイブ性格診断は、第一印象ではなく自分の回答から五つの性格特性を示します。
第一印象のよくある質問
Q. 第一印象は何秒で決まりますか? A. 顔写真から受ける魅力や信頼できそうかといった印象は0.1秒で生まれ、長く見てもほかの人の判断と合う度合いは有意には高まりませんでした(Willis & Todorov, 2006)。無表情の顔の脅威感は、39ミリ秒のうちに見えた情報でも一貫して判断されました(Bar ほか, 2006)。ただし、性格を当てる正確さはおおむね長く見るほど高まり、5分間の会話の映像を使った研究では、長さに対して60秒が最も効率的でした(Carney ほか, 2007)。
Q. 第一印象は正確ですか? A. 特性によって違います。24人の見知らぬ人が映像、写真、録音のどれか一つだけで評価したとき、外向性と誠実性が本人の評価と最もよく合い(Borkenau & Liebler, 1992)、30人の会話の映像を使った研究では、協調性が最も当てにくい特性でした(Carney ほか, 2007)。情緒の安定性のように外から見えにくい特性は、親しい間柄になってはじめて大きく正確になりました(Connelly & Ones, 2010)。第一印象で人気があるからといってよい人だとも限らず、自己愛が高い人ほど第一印象で人気がありました(Back ほか, 2010)。ただしこれは平均的な傾向で、第一印象がよいことは自己愛の高さのしるしではありません。
Q. 第一印象は変えられますか? A. 変えられます。最初に聞いた情報が印象の方向を決める初頭効果はありますが(Asch, 1946)、2,882人が参加した実験ではその効果は小さなものでした(Sullivan, 2019)。写真から感じた好感は、1か月以上たって実際に会ったあとの好感のばらつきの約35%を説明し、かなり引き継がれつつも修正されました(Günaydın ほか, 2017)。前の出来事を違って読み取らせる新しい情報は自動的な評価をひっくり返し、その変化は3日後も続いていました(Mann & Ferguson, 2015)。
Q. メラビアンの法則は本当ですか? A. 言葉7%、声38%、表情55%という数字は1967年の二つの実験から出たものですが、メラビアン自身が、気持ちや態度について話しているときでなければ当てはまらないと明言しています(Mehrabian, 1981)。中心となる研究は女子大学生37人が「maybe」という単語一つを聞いた実験で、どちらの研究も三つを同時には比べていませんでした(Lapakko, 2007)。会話や第一印象全体のうち言葉が7%という意味ではありません。
Q. 第一印象をよくする方法はありますか? A. 研究が裏づけているのは「テクニック」より態度に近いものです。人は会話の相手が自分をどれくらい好きだったかを一貫して低く見積もっていたので(Boothby ほか, 2018)、思っているよりよい印象を与えている可能性は高いのです。いちばんよい自分を見せようとした人はより好感を持たれ、より正確に評価されましたが、それは会話により積極的に参加したからかもしれません(Human ほか, 2012)。第一印象がうまくいかなかったなら、以前の様子を見直してもらえる背景を伝えてみることもできます(Mann & Ferguson, 2015)。
Q. 顔だけで第一印象を判断してもよいですか? A. おすすめしません。顔の印象は人どうしで似通い、投資やリーダーの選択といった決定にも影響しますが、その印象が人を正しく見抜くという主張は大きく誇張されてきました(Todorov ほか, 2015)。同じ人でも、写真によって印象は大きく変わりました(Todorov & Porter, 2014)。人相と顔の印象の正確さについては、人相の科学的根拠のガイドにまとめています。
参考文献:Willis, J., & Todorov, A. (2006), First impressions: making up your mind after a 100-ms exposure to a face, Psychological Science 17(7), 592-598, https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2006.01750.x; Bar, M., Neta, M., & Linz, H. (2006), Very first impressions, Emotion 6(2), 269-278, https://doi.org/10.1037/1528-3542.6.2.269; Ambady, N., & Rosenthal, R. (1992), Thin slices of expressive behavior as predictors of interpersonal consequences: a meta-analysis, Psychological Bulletin 111(2), 256-274, https://doi.org/10.1037/0033-2909.111.2.256; Ambady, N., & Rosenthal, R. (1993), Half a minute: predicting teacher evaluations from thin slices of nonverbal behavior and physical attractiveness, Journal of Personality and Social Psychology 64(3), 431-441, https://doi.org/10.1037/0022-3514.64.3.431; Borkenau, P., & Liebler, A. 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