本文へスキップ

解釈ガイド

MBTIで愛着スタイルは決まる?回避型・不安型が多いタイプはあるのかを研究から読み解く

回避型が多いMBTIはある?MBTIと愛着をあわせて測った学術誌の論文は見つかりませんでした。愛着とビッグファイブの研究やメタ分析から、MBTI別の愛着スタイルの根拠を確かめました。

MBTIで愛着スタイルは決まる?

「MBTI別の愛着スタイル」「回避型が多いMBTI」といった投稿は、SNSやブログでよく見かけます。「INFPは不安型、INTJは回避型」とタイプごとに愛着スタイルを割り当てるものもあれば、「Iは回避型、Fは不安型」と1文字で分けるものもあります。気になる相手からの連絡が減ったとき、まず相手のMBTIを調べたくなる気持ちもわかります。でも、INFPなのに愛着スタイル診断で安定型と出たり、同じタイプの友だちと正反対の結果になったりすると、こうした組み合わせが本当に当たっているのか気になってきます。

結論からいうと、MBTIは愛着を測っていません。同じ人にMBTIと成人愛着の質問紙の両方を実施した学術誌の論文も見つかりませんでした。ですから、研究に裏づけられた「MBTI別愛着スタイルランキング」もありません。愛着と性格特性の関係はかなり研究されていて、最もはっきりしたつながりは愛着不安と神経症傾向のあいだにあります。神経症傾向は、MBTIの4文字のどこにも入っていない特性です。平均すると、回避はやや内向(I)・思考(T)寄り、不安はやや内向(I)・知覚(P)寄りかもしれないと推測はできますが、その差は小さく、どのタイプにも安定型、不安型、回避型、恐れ・回避型の人がいます。

この記事では、MBTIと愛着スタイルがそれぞれ何を測っているのか、愛着と性格をあわせて調べた研究から何がわかるのか、その結果をMBTIの文字に置き換えるとどうなるのかを順に見ていきます。後半では、タイプ別の愛着ランキングの読み解き方と、二つの診断結果を並べて見る方法を紹介します。

MBTIの4文字と愛着スタイルは、それぞれ何を測っている?

MBTIは、四つの指向を文字で表します。外向‐内向(E–I)は注意やエネルギーが外と内のどちらに向かいやすいか、感覚‐直観(S–N)は具体的な事実と全体像のどちらに先に目が行くか、思考‐感情(T–F)は決めるときに論理と人のどちらを優先するか、判断‐知覚(J–P)は予定を決めておくほうと余地を残しておくほうのどちらが楽かを見ます。4文字を並べると、16タイプのどれかになります。質問はふだんの生活全般についてのもので、特定の相手との関係を個別にたずねるものではありません。

大人の愛着は、恋人や家族、親しい友人のように、大切に思う相手との関係に表れるパターンです。研究ではふつう二つの軸で考えます。相手が離れていったり気持ちが冷めたりしないかと心配する度合いが不安、誰かに頼ったり近づいたりすることが落ち着かない度合いが回避です。両方とも低ければ安定型、不安だけ高ければ不安型、回避だけ高ければ回避型、両方高ければ恐れ・回避型と呼びます。

愛着は、関係によって違った形で表れることがあります。母親、父親、恋人、いちばん親しい友人のそれぞれについて同じ質問に答えてもらった研究で、研究者は、親とは安定している人が恋人とは不安定なこともありうるとまとめています(Fraley ほか, 2011)。新しい関係を経験するなかで変わることもあります。ですから愛着スタイルは、一生変わらない性格タイプというより、いまの親しい関係で見られる傾向に近いものです。結果の読み方は「愛着スタイルの結果の読み方」のガイドに、恋愛での表れ方は「愛着スタイル別の恋愛傾向」のガイドにまとめました。

二つの検査は、たずねている場面からして違います。MBTIはふだんどんなやり方が楽かをたずね、愛着の質問紙は身近な人の前でどんな心配や距離を置きたい気持ちが出てくるかをたずねます。一方の結果からもう一方を推し量るには、両者をつなぐ研究が別に必要です。

愛着と性格をあわせて調べた研究

まず、MBTIと愛着を直接比べた研究を探しました。2026年11月に論文データベースのOpenAlexとCrossref、韓国の学術データベースRISSでMBTIと愛着をあわせて検索しましたが、同じ人にMBTIと成人愛着の質問紙の両方を実施した学術誌の論文は見つかりませんでした。いちばん近かったのは、2007年のアメリカのある大学の学部卒業論文です。MBTIをもとにした短い質問紙(Keirsey Temperament Sorter II)と愛着の質問紙を一緒に使い、外向型や感覚型に分類された人に安定型が多かったと要約しています(Rosswurm, 2007)。ただ、要約には比較の数値も統計的な検定の結果もなく、査読を経ていない学部の論文なので、これだけで結論を出すことはできません。

一方、愛着と性格の5因子(ビッグファイブ)の関係は、30年以上にわたって研究されてきました。シェイバーとブレナンは1992年に、大人の愛着スタイルとNEO性格検査で測ったビッグファイブをあわせて調べました。愛着スタイルは理論から予想される方向でビッグファイブと関連していましたが、ビッグファイブを別の名前で呼んだだけのものではありませんでした。恋愛関係がどうなっていくかを予測する力も、おおむねビッグファイブの尺度より愛着の尺度のほうが大きいものでした(Shaver & Brennan, 1992)。その後、アメリカの大学生8,318人に恋愛の愛着の質問紙(ECR)とビッグファイブをあわせて実施した研究でも、不安と神経症傾向の相関が0.42と最も大きく、不安も回避も外向性・協調性・誠実性とは−0.15〜−0.23ほどの同じくらいの大きさで関連していました。関係の質を予測する力も、ビッグファイブより愛着のほうが大きいものでした(Noftle & Shaver, 2006)。

複数の研究をまとめたメタ分析もあります。ウォーノックらは、仕事や職場での愛着を扱った研究を集め、109の標本、32,278人のデータを分析しました。このうちビッグファイブとの関連は、特性ごとに11〜14の標本、約1万人のデータから計算されています。ビッグファイブのうち愛着不安と最も強く結びついていたのは神経症傾向で、測定誤差を補正した相関は0.49でした。不安・回避と五つの特性のあいだの相関のなかでも、最も大きいものです。愛着回避は外向性と−0.28の相関を示し、外向的な人ほど回避の点数がやや低い傾向がありました。回避と神経症傾向の相関は0.18で、不安よりずっと小さいものでした。不安も回避も、協調性がやや低いこととも関連していました。それ以外の関連は、ほとんどが−0.1から−0.3のあいだの小さなものでした(Warnock ほか, 2024)。

このメタ分析は仕事や職場を扱った研究から集めたデータなので、恋愛関係だけを調べた研究とは数字が違う可能性があります。ただ、恋愛の愛着を測った先ほどの大学生の研究も、よく似た流れでした。愛着は性格特性とある程度重なるものの同じものではなく、いちばん大きく重なるのは不安と神経症傾向です。

ビッグファイブを橋にしてMBTIの文字に置き換えると

MBTIと愛着をあわせて測った研究が見つからなかったので、ビッグファイブを橋にして、ここまでの結果をMBTIの文字に置き換えてみます。マクレーとコスタは、MBTIの四つの指標がビッグファイブの五つの次元のうち四つを部分的に測っていると報告しました(McCrae & Costa, 1989)。その後、900人に両方の検査を受けてもらった研究でも、外向‐内向は外向性と、感覚‐直観は開放性と、思考‐感情は協調性と、判断‐知覚は誠実性と対応していました(Furnham ほか, 2003)。残る一つの神経症傾向、つまり心配や緊張といった否定的な感情をどれだけ感じやすいかにあたるMBTIの指標はありません。mind.io のビッグファイブ診断では、この特性を情緒の敏感さと呼んでいます。

こうして置き換えると、愛着不安は回避よりもMBTIから推し量りにくいことがわかります。不安と最も大きく重なる神経症傾向がMBTIにないからです。ただ、不安も外向性(−0.18)、誠実性(−0.29)と小さな逆向きの関連があり、協調性とも同じ向きの関連があるので、そのまま当てはめるとI・Pの側、そしてTの側に少し傾くと推測できます。その大きさは、次に見る回避の推測と同じくらいか、やや小さい程度です。感情(F)ではなく思考(T)の側なので、「Fは不安型」というよくある説を裏づけるものではありません。

愛着回避は外向性と−0.28の相関を示し、協調性とも同じくらいの大きさの逆向きの関連がありました。外向‐内向は外向性と、思考‐感情は協調性と対応するので、平均するとIとTのほうが回避の点数がやや高いかもしれないと推測できます。この推測どおりなら、ISTPやINTJのようなITタイプには回避型がやや多く、ENFJやESFJのようなEFタイプにはやや少ないかもしれません。だからといってINTJなら回避型というわけではなく、平均が少し動くという推測にすぎません。感覚‐直観と判断‐知覚にあたる開放性と誠実性は回避との関連がさらに小さく、推測の手がかりにはほとんどなりません。

ただし、この推測は頑丈とはいえない橋を二つ渡った結果です。MBTIの文字とビッグファイブの特性は一部しか重ならず、この計算に使ったビッグファイブと愛着の相関も−0.28ほどで、大きくはありません。小さな関連を二つ重ねると残る差はさらに小さくなりますし、同じ人に両方の検査を受けてもらってこの推測を確かめた研究も見つかりませんでした。仮に当たっていたとしても平均の話なので、どのタイプにも安定型、不安型、回避型、恐れ・回避型の人がいます。

「回避型が多いMBTIランキング」をうのみにできない理由

第一に、ランキングを裏づけるデータがありません。何人に両方の検査を受けてもらい、タイプごとに結果がどう分かれたのかを示したランキング記事は、ほとんど見当たりません。「ひとりの時間が欠かせない」というタイプの説明と「人と距離を置く」という回避型の説明が似て見えたので、つなぎ合わせたのかもしれません。

第二に、平均のわずかな差では、一人ひとりを言い当てられません。回避と外向性の相関が−0.28なら、内向的な人と外向的な人の回避の点数はほとんど重なります。回避の点数が低い内向型の人も、高い外向型の人もたくさんいるということです。タイプ別ランキングは、こうした重なりを消して、タイプごとに愛着スタイルを一つだけ割り当ててしまいます。

第三に、どちらの結果も変わりえます。愛着の点数は、どの関係を思い浮かべて答えたか、最近その関係がどうなっているかで変わり、新しい経験を重ねるなかで安定寄りに移っていくこともあります。MBTIも、はっきり分かれたタイプではなく比較的独立した四つの次元を測る検査なので(McCrae & Costa, 1989)、50:50に近い軸は受け直すと文字が入れ替わりやすくなります。「ENFPは不安型」という一文は、変わりやすい結果を二つ結びつけたものなのです。詳しい理由は「愛着スタイル診断の正確さ」のガイドと「MBTI診断の正確さ」のガイドにまとめました。

第四に、内向は回避ではありません。ひとりの時間が好きなことと、身近な人に頼るのが落ち着かないことは別の話です。週末は家で休まないと充電できない人でも、恋人には悩みを打ち明けて気楽に頼れることがあります。反対に、集まりで場を盛り上げる人が、関係が深まった途端に連絡を減らすこともあります。この違いは「回避型愛着との付き合い方」のガイドのQ&Aでも取り上げました。

第五に、感情(F)は不安型ではありません。MBTIでいう感情は、決めるときに人や価値観をどれだけ重く見るかを指します。返信が遅いと気持ちが冷めたのではと心配することとは別の話です。ビッグファイブを通して置き換えた推測もFの側を指してはいませんが、これも小さな関連なので、FかTかで不安についてわかることはほとんどありません。

第六に、「近づきたいのに、傷つくのが怖くて一歩引いてしまう」といった説明は、誰もが一度は経験したことのある姿を描いているので、自分のことのように聞こえます。誰にでも当てはまる説明につい納得してしまう傾向は、バーナム効果と呼ばれています。ランキング記事の説明が当たっていると感じるほど、ほかのタイプの説明も読んでみて、同じくらい当てはまらないか確かめてみてください。

自分のMBTIと愛着スタイルをあわせて確かめる方法

ランキングで自分のタイプを探すより、二つの診断を実際に受けてみるほうが確かです。mind.io では愛着スタイル診断(28問・約6分)とMBTIテスト(32問・約4分)を無料で受けられます。

愛着スタイル診断は、mind.io が独自に書いた28問で、不安と回避を14問ずつたずねます。軸ごとに9問はそのまま、5問は逆向きに書かれているので反転して計算します。軸ごとの平均を0〜100点に置き換え、50を基準線にします。不安だけが50を超えれば不安型、回避だけなら回避型、両方なら恐れ・回避型、どちらも超えなければ安定型で、ちょうど50点は超えていない側として扱います。どちらかの軸が40〜60点なら「基準線の近く」なので、結果画面では、その軸が基準線の反対側に出た場合の隣のタイプもあわせて案内します。

MBTIの結果には、四つの軸がどちらに何%傾いているかが出ます。二つの結果を一つの画面にまとめる組み合わせカードはないので、二つの結果画面を並べて開き、自分で比べてみてください。外向‐内向や思考‐感情が50%に近ければ、その文字は次に受けたとき入れ替わるかもしれません。不安や回避が基準線の近くなら、愛着スタイルも変わるかもしれません。この記事の推測どおり内向・思考寄りで回避の点数も高いのか、まったく違う組み合わせなのかも見てみてください。どちらでもかまいません。平均で成り立つことが、自分にも当てはまるとは限らないからです。

愛着は、思い浮かべる関係によって違って出ることがあります。一度はいまの恋人かいちばん最近の恋愛を、もう一度は家族や親しい友人を思い浮かべて答えてみると、関係ごとに自分の愛着がどう違うかが見えてきます。同じMBTIの友だちと比べてみるのもおすすめです。友だちから届いた愛着スタイル診断の結果リンクを開いたあとで同じ診断を終えると、自分の結果画面にふたりのタイプをあわせて読む解説が表示されます。タイプが同じでも、愛着スタイルはかなり違って出ることがあります。

愛着不安と最も関係の深い神経症傾向が気になるなら、ビッグファイブ診断の「情緒の敏感さ」のスコアもあわせて見てみてください。MBTIの結果からはわからない特性を、スコアで確かめられます。

二つの結果を読むときに覚えておきたいこと

この記事で紹介した診断は、どれも自分をふり返るための道具で、医学的な診断ではありません。mind.io のMBTIテストは公式のMBTI(Myers-Briggs Type Indicator)ではなく、同じ四つの指向の軸をもとにつくった無料のMBTI風テストです。愛着スタイル診断も、研究で使われる不安と回避の二つの軸をもとに mind.io が独自に書いた設問でつくったチェックで、妥当性が検証された臨床尺度ではありません。

愛着スタイルを、ほかの人を判断するためのラベルとして使わないでください。「INTJだから回避型」と決めつけると、相手が実際に歩み寄ろうとしている姿を見落としやすくなります。また、嫉妬を理由にスマホや居場所を監視する、友人に会わせない、別れたら危害を加えると脅す、体を傷つけるといった行動は、愛着スタイルで説明できるものではなく暴力です。その場合は、話し方の工夫より自分の安全が先です。相談できる窓口は「回避型の恋人との話し方」のガイドの「愛着の問題ではないとき」の部分にまとめました。

参考文献:Shaver & Brennan (1992), Personality and Social Psychology Bulletin 18(5), 536-545, https://doi.org/10.1177/0146167292185003; Noftle & Shaver (2006), Journal of Research in Personality 40(2), 179-208, https://doi.org/10.1016/j.jrp.2004.11.003, https://adultattachment.faculty.ucdavis.edu/wp-content/uploads/sites/66/2015/09/Noftle_2006_Attachment-dimensions-and-the-big-five-personality-traits.pdf; Warnock, Ju & Katz (2024), Journal of Business and Psychology 39(6), 1239-1257, https://doi.org/10.1007/s10869-024-09960-9(数値は著者公開の原稿 https://osf.io/c83ke による); McCrae & Costa (1989), Journal of Personality 57(1); Furnham, Moutafi & Crump (2003), Social Behavior and Personality 31(6); Fraley, Heffernan, Vicary & Brumbaugh (2011), Psychological Assessment 23(3), 615-625, https://doi.org/10.1037/a0022898; Rosswurm (2007), Personality and relational style, 学部卒業論文, Ball State University, https://cardinalscholar.bsu.edu/handle/20.500.14291/188716(2026年11月確認).

役に立ったら、シェアしてみてください

気になっていそうな友だちや家族に、この記事を送ってみましょう。

次に見るとよいテストとガイド