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勉強ガイド

学習スタイル(視覚型・聴覚型)に合わせると学びやすい? 研究で検証

視覚型・聴覚型など自分の学習スタイルに合わせると学びやすい? 合わせた授業を検証した実験、2024年のメタ分析をめぐる議論、年齢や能力を問わず効果が確かめられた勉強法を整理。

学習スタイルに合わせて勉強するべき? まず短い答えから

「私は視覚型だから図で見ないと頭に入らない」「聴覚型だから講義を聞くほうがいい」のように、人それぞれに合った学習スタイルがあるという話はよく耳にします。一般には視覚型・聴覚型・体感覚型(運動感覚型)の三つ(VAK)に分け、読み書き型を加えて四つ(VARK)に分けることもあります。こうした診断は自分のタイプを教えてくれ、そのやり方で学べばよく学べると説明することが多いものです。研究者はこの最後の主張を「メッシング仮説」と呼んでいます(Pashler ほか, 2008)。

短く答えると、情報の受け取り方に好みがあるのは事実です。子どもも大人も尋ねられれば好みを答えますし、空間を頭の中に思い描く力のような特定の能力にも個人差があります(Pashler ほか, 2008)。しかし、好みに合わせて教えたり勉強したりするとよく学べるのかをきちんと確かめるよう設計した実験では、多くの場合その利点は見られませんでした(Pashler ほか, 2008;Aslaksen & Lorås, 2018)。2024年のメタ分析は合わせた授業の側に小さな平均効果(g = 0.31)を報告しましたが、この仮説を支える結果のパターンが見られたのは結果指標の約4分の1だけで、著者たちもこの効果は広く取り入れるには小さすぎ、まれすぎると解釈しました(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

一方で、年齢や能力の異なる学習者に幅広く効果が確かめられた勉強法があります。本を閉じて自分で思い出す自己テストと、日を分けて見直す分散学習です(Dunlosky ほか, 2013)。このレビューが学習スタイル別に効果を調べたわけではありませんが、2008年の検討は、テストで記憶が高まる効果は一部の学習者だけでなく、わかる限りすべての学習者に当てはまるとしています(Pashler ほか, 2008)。そのため学習スタイルの結果は、どのやり方が楽かを考える手がかりにして、効果が確かめられた方法と組み合わせるのが現実的です。

このガイドは、視覚・聴覚・体感覚のように感覚で分ける学習スタイルと、それに合わせて教えるべきだという主張を扱います。「学習タイプ診断」と呼ばれる検査にはいろいろな種類があり、このガイドで一つひとつを評価することはしません。mind.io に学習スタイル診断はありません。こうした診断を楽しむ人や、学習スタイルを授業に取り入れてきた先生を責めるためのガイドでもありません。以下では、学習スタイルとは何か、メッシング仮説の確かめ方、直接確かめた実験、2024年のメタ分析をめぐる議論、多くの人が信じる理由、誰にでも勧められる勉強法を順に整理します。

学習スタイルとは:VAK・VARKと71のモデル

学習スタイルとは、人によって最も効果的な授業や勉強のやり方が違うという考えです。学習スタイルの質問紙は多くの場合、文章・図・話のどの形で情報を受け取るのが好きか、どんな活動がいちばんしっくりくるかを自分で答えてもらいます(Pashler ほか, 2008)。最もよく知られているのは視覚(visual)・聴覚(auditory)・体感覚(kinesthetic)のVAKで、これに読み書き(read/write)を加えたのがVARKです。主に言葉で考えるか図で考えるかで分ける言語型・視覚型(verbalizer–visualizer)の区別も似た考え方です(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

学習スタイルのモデルは思った以上にたくさんあります。英国で依頼を受けて行われた体系的レビューは71のモデルを見つけ、そのうち影響力の大きい13を詳しく調べました。検査が満たすべき最低限の基準として、内的一貫性、もう一度測っても結果が近いか(再検査信頼性)、測ろうとするものを測れているか(構成概念妥当性)、実際の成績を予測するか(予測妥当性)を確かめたところ、基準に近かったのは13のうち3つでした。感覚の型を含むダン&ダン(Dunn and Dunn)モデルは四つの基準のうち一つしか満たしていませんでした。著者たちは、どの学習スタイルの検査であれ、それだけを根拠に授業を変えないよう勧めています(Coffield ほか, 2004)。なお、VARKはこの13には含まれていませんでした。

一つのタイプにぴったり当てはまる人も思ったより少数です。米国ペンシルベニア州の農村部にある公立学校の5年生を調べた研究では、分析された107人のうち聴覚の好みがはっきりしていた子は11%、視覚の好みがはっきりしていた子は21%で、68%は聴覚と視覚の好みが同じくらいでした(Rogowsky ほか, 2020)。VARKのウェブサイトも、多くの人は状況に応じて複数のやり方を組み合わせる「マルチモーダル」だと説明しています。

VARKのウェブサイトはVARKを、自分の学習の好みについて考えるための質問紙だと紹介し、知能を測るものでも成功を予測するものでもないとしています。また、人は好みの形で情報を示されたときにしか学べないとは主張しておらず、好みに合わせた授業が成果を高めるかについては議論があることを認めているとしています(VARKウェブサイト, 2026年10月確認)。

「タイプに合わせて教えるとよく学べる」をどう確かめるか

2008年、学術誌の依頼を受けた4人の認知心理学者が、学習スタイルを教育に使う根拠を検討しました。まず何が証拠になりうるかを決めました。学習スタイルで人を分け、それぞれのスタイルの中で教え方を無作為に割り当て、全員に同じテストを受けてもらう必要があります。そして、あるスタイルの群に最も良い教え方が、別のスタイルの群に最も良い教え方と違っていなければなりません。たとえば視覚型は図の授業で、聴覚型は聞く授業で、よりよく学ぶ必要があるということです(Pashler ほか, 2008)。

この基準では、図の授業が全員にとってより良かったのなら、メッシング仮説の根拠にはなりません。同じ方法が誰にとっても最善だということだからです。反対に、あるスタイルの群の点数が全体的に高くても、群ごとに最善の方法が入れ替わってさえいれば根拠になりえます(Pashler ほか, 2008)。研究者はこの入れ替わるパターンを「交差(クロスオーバー)交互作用」と呼びます。

検討の結果、この基準を満たす可能性があるだけの研究も1999年の一つしかなく、学生の約3分の1しか群に分類されなかったなどの問題から、根拠としては弱いと判断されました。一方、きちんと設計された研究のいくつかは、この仮説と逆の結果を示していました。電子工学の授業で視覚型と言語型それぞれに合わせたヘルプ画面を用意した実験では、20近い個人差の指標で分析しても合わせた効果はなく、単語を線画で見せた別の実験では、視覚の好みとは関係なく、線画で見たほうが音声で聞いたときよりよく覚えられていました(Pashler ほか, 2008で紹介された研究)。

著者たちの結論はこうです。「現時点では、学習スタイルの検査を一般の教育実践に取り入れることを正当化する十分な根拠はない」。ただし方法のしっかりした研究そのものが少ないため、考えうるすべての学習スタイルが検証されて否定されたと結論づけるのも誤りだとし、多くは一度も検証されていないと付け加えています(Pashler ほか, 2008)。

ここで大切なのは、好みと効果の区別です。著者たちは、人がある程度安定した好みを持つことに異論はないとしながらも、ある生徒が特定の好みを持つというだけで、その好みに合わせて教えるべきだということにはならないと説明しています。能力についても同じで、空間を思い描く力のような差は確かにありますが、それだけで学習スタイル仮説が支持されるわけではありません(Pashler ほか, 2008)。

直接確かめた実験:大人・小学生・大学生

2008年の検討の後も、この基準に沿った実験が続きました。大学教育を受けた成人を対象にした研究は、標準化された学習スタイル検査で聴覚の好みと視覚(文字)の好みを測ったうえで、同じノンフィクションの内容をオーディオブックか電子書籍のどちらかに無作為に割り当てて学んでもらいました。直後のテストでも2週間後のテストでも、学習スタイルと教え方のあいだに統計的に有意な関係は見られませんでした(要旨による。Rogowsky ほか, 2015)。あるレビューは六つのデータベースで1,000件を超える記録を調べ、この研究を2008年の検討の基準に完全に沿った唯一の研究に挙げています(Aslaksen & Lorås, 2018)。

同じ研究チームは2020年、この設計を小学生に当てはめました。米国ペンシルベニア州の農村部にある公立学校の5年生が、同じ水準の文章を自分で読む場合と録音を聞く場合の両方で学び、同じ筆記の問題に答えました。学習スタイル検査で分類できた34人(聴覚型12人、視覚型22人)のうち、視覚型の子は読みでも聞き取りでも点数が高く、どちらの群も聞くほうで少しよくできました。群ごとに最善の方法が入れ替わるパターンはありませんでした。両方の得点がそろった107人で見ても、視覚の好みと読解の点数の相関(r = 0.07)は有意ではなく、聴覚の好みと聞き取りの点数はむしろ弱い負の相関(r = −0.22)を示しました(Rogowsky ほか, 2020)。

著者たちは、子どもの聴覚・視覚の学習スタイルに合わせた授業は学力に効果がなかったと結論づけました。ただし一つの学校で行われ、問題が筆記だけだったため、ほかの子どもや教え方に広げるときは注意が必要だとも述べています(Rogowsky ほか, 2020)。

大学生が実際にどう勉強しているかを見た研究もあります。解剖学の授業を受けた学部生426人がVARKの質問紙と勉強法の調査に答えたところ、多くは自分のVARKの結果に合った勉強法をとっておらず、VARKのどの領域の点数も授業の成績と関連していませんでした。成績と関連していたのは、VARKの結果に関係なく使われた特定の勉強法(たとえばバーチャル顕微鏡の利用)で、勉強法がVARKの結果に合っているかどうかは成績と関連していませんでした(要旨による。Husmann & O’Loughlin, 2019)。一つの授業を対象にした相関研究です。

感覚ごとの記憶を直接測った研究でも、絵・音・触覚で覚えた内容をどれだけ覚えているかは、自己申告の学習スタイルと相関していませんでした。人々は感覚ごとの実際の学習経験よりも、自分についての一般的な記憶や思い込みをもとに学習スタイルの質問紙に答えていたこともわかりました(要旨による。Krätzig & Arbuthnott, 2006)。

2018年のレビューは、基準に沿った方法を使った研究を10見つけました(完全に合致したのは2015年の研究一つ)。22の効果量をまとめると、視覚型に視覚の授業を合わせた効果(g = −0.09, n = 484)も、聴覚型に聴覚の授業を合わせた効果(g = −0.27, n = 356)も小さく、統計的に有意ではありませんでした。著者たちは、合わせる効果を再現性のある形で示した統計的根拠はまだないとまとめています(Aslaksen & Lorås, 2018)。2015年の別のレビューも、方法のしっかりした研究ほどこの仮説を否定する傾向があったとしています(要旨による。Cuevas, 2015)。

2024年のメタ分析:小さな効果はあったのか

2024年には、感覚の型に合わせた授業と合わせない授業を比べた研究をまとめたメタ分析が発表されました。英語で発表された21の研究(参加者1,712人、効果量101)をまとめると、合わせた授業のほうが平均してわずかに良く、効果量はg = 0.31(論文の要旨に記載された値)と小さいものの、統計的に有意でした。著者たちは、出版バイアスがこの効果の理由とは考えにくいと判断しています(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

ただし著者たちは、この数字をそのまま受け取らないよう注意しています。メッシング仮説を支えるには、二つのスタイル群の両方が自分に合わせた授業でよりよくできる必要がありますが、そうした結果は42の結果指標のうち11(26%)だけでした。21の研究のうち、教育研究の品質基準(What Works Clearinghouse)を満たしたのは5つで、交差パターンを示した研究の多くはこの基準を満たしていませんでした。すべての研究が1回の授業だけを扱っており、85%の研究は学習スタイルをはっきり分類できなかった参加者を分析から除いていました(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

そのため著者たちは、学習スタイルを授業に必ず取り入れるべきだと主張するのは行き過ぎだとし、効果は「広く取り入れるには小さすぎ、まれすぎる」と結論づけました。この結果を合わせる授業の根拠に使うには細心の注意が必要だとし、学習スタイルを使うとしても、複数のやり方を組み合わせる授業のなかで使うよう勧めています。比較として、すべての生徒に同じように適用する設計上の工夫のなかには、効果がこの約2倍のものもあると紹介しています(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

別の研究者たちは違う形で整理しています。教育効果のメタ分析を集めた自分たちのデータベース(Visible Learning MetaX)で学習スタイルに関する17のメタ分析を調べ、合わせる授業を直接試した4つ(143研究)の効果はd = 0.04とほとんどなかったとしました。学習スタイルの点数と成績の関連(平均 r = 0.24)を見た相関研究のメタ分析は、合わせる効果については何も示さず、学習スタイルと勉強の方略を混同していることが多いとみています(Hattie & O’Leary, 2025)。この4つのうち2つは1980年代の分析で、すべてが感覚の型を扱ったものではなく、2024年のメタ分析は含まれていません。

こうした食い違いは今に始まったことではありません。2005年のメタ分析は、ダン&ダン・モデルで好みに合わせた授業が成績を高めたという立場を結果が「圧倒的に」支持したと報告しましたが(要旨による。Lovelace, 2005)、2007年の批判論文は、分析に使われた研究の96%が学位論文で、そのうち70%がモデルの開発者と関わっており、「身内びいき」の偏りの可能性があると指摘しました(要旨による。Kavale & LeFever, 2007)。2004年の英国のレビューも、合わせることについての実証研究は「よくてあいまい、悪くすれば深く矛盾している」とまとめています(Coffield ほか, 2004)。

まとめると、あらゆる学習スタイルについて効果がちょうどゼロだと確かめられたわけではありません。ただ、合わせる授業が学びを高めるという根拠は弱く一貫せず、その多くは短く質の低い研究から来ています。効果を見つけたメタ分析の著者たちでさえ、広く取り入れる根拠とは見ていません。2008年の検討も、こうした交互作用は統計的に有意というだけでなく大きく確かなものでなければ、生徒を検査して授業を個別に組み立てる費用に見合わないと指摘していました(Pashler ほか, 2008)。

調査で多くの教育者が同意する理由と「合っている感じ」

学習スタイルは、教師への調査で高い同意を集めてきた考えです。英国ドーセット地域の教師137人とオランダ・アムステルダム周辺の教師105人が参加した調査では、「人は好みの学習スタイル(例:聴覚、視覚、運動感覚)で情報を受け取るとよりよく学べる」という文に、英国の教師の93%、オランダの教師の96%が同意しました。同じ調査で「学習者には情報の受け取り方の好みがある」という正しい文に同意したのは95%と82%で、学校で学習スタイルに触れたことがある教師は98%と64%でした。脳と学習に関心があって自ら参加した教師が対象でした(Dekker ほか, 2012)。

米国でオンラインで参加した3,877人を調べた研究では、同じ文を一般の参加者の93%、教育者の76%、神経科学の講義を多く受けた人の78%が正しいと答えました。「子どもには特定の感覚(見る、聞く、触る)が優位な学習スタイルがある」という文も88%、71%、68%が正しいとしています。参加者は全員、大学教育を少なくとも一部受けたボランティアでした(Macdonald ほか, 2017)。

2009年から2020年初めまでに18か国の教育者約1万5千人を調べた37の研究をまとめた体系的レビューでは、好みのスタイルに合わせて教えるとよく学べると考える人の割合は加重平均で89.1%(研究ごとに58〜97.6%)、教員志望の学生では95.4%でした。ただし多くは便宜的な標本で、回答者が「合わせる授業」についての質問だと正確に理解していたかははっきりしないと著者たちは指摘しています。根拠が乏しいことを説明した4つの研究では、そう考える人は78.4%から37.1%に減りました。著者たちは、この信念への懸念は現在の根拠では十分に裏づけられていない可能性もあると付け加えています(Newton & Salvi, 2020)。

韓国でも似た結果が出ています(調査の対象が違うため、上の数字と直接比べることはできません)。韓国の教員志望の学生521人(初等教育専攻269人、中等教育専攻252人)を調べた研究では、視覚・聴覚・運動の学習スタイルに関する項目の正答率は1%未満でした(要旨による。Park ほか, 2016)。2026年に発表された、初等教員志望の学生83人を調べた研究でも、学習スタイルについての神経神話を受け入れる割合は91.6%でした(要旨による。Lim, 2026)。

なぜこれほど広く信じられているのでしょうか。まず、まったくの作り話ではありません。視覚・聴覚・運動感覚の情報は実際に脳の異なる部位で処理されますが、それらの部位は互いに密接につながっています(Dekker ほか, 2012)。好みも実在します。ただ、好みは学んでいるという感覚には影響しても、実際に覚えている量とは違うことがあります。ある実験では、視覚型の得点が高い人ほど絵を学ぶときによく学べていると感じましたが、実際に多く思い出せたわけではありませんでした(要旨による。Knoll ほか, 2017)。

学び方についての私たちの直感は、しばしば外れます。楽でなじみのあるやり方は学んでいる感じを与えますが、間をあけて見直したり、問題を混ぜて解いたりするように遅く感じられるやり方のほうが長く残ることが多いのです(Pashler ほか, 2008)。2008年の検討の著者たちは、「自分がどんなタイプの人間か」を知りたい気持ちや、一人ひとりとして扱われたい気持ちも、この考えが魅力的に映る理由として挙げています(Pashler ほか, 2008)。

研究者のあいだには、学習者にタイプのラベルを貼ると型にはめたり先生の労力を無駄にしたりしかねないという懸念がある一方、支持する側は自分のスタイルを知ることがやる気につながりうると考えています(Newton & Salvi, 2020)。一つの授業で図・話・活動を組み合わせる先生は、複数のやり方を組み合わせること自体が学びに役立ちうるという点で、生徒を助けているのかもしれません。ある研究チームはこれを、理由は間違っているが良い実践だと表現しています(Macdonald ほか, 2017)。学習スタイルを信じていたことを恥じる必要はありません。同じ教師調査で一緒に尋ねられた右脳型・左脳型の話は右脳型・左脳型のガイドにまとめました。

誰にでも勧められる勉強法と、結果の使い方

学生が手軽に使える10の勉強法を研究の根拠で評価したレビューは、自己テスト(練習テスト)と分散学習を「有用性が高い」としました。年齢や能力の異なる学習者に幅広く効果があり、さまざまな種類のテストや実際の教室でも成績を高めたからです。精緻化質問、自己説明、交互練習は「有用性は中程度」、要約、蛍光ペン、キーワード記憶法、文章の内容をイメージにすること、読み返しは「有用性が低い」と評価されました(Dunlosky ほか, 2013)。それぞれの使い方と1週間の勉強計画の例はMBTI別勉強法のガイドにまとめました。

教室での小テストを扱った222の研究(生徒48,478人)をまとめたメタ分析でも、テストを受けること自体が学力を中程度高めていました(g = 0.499)(要旨による。Yang ほか, 2021)。言葉などを覚える課題での分散学習の317の実験を分析したレビューは、覚えておく必要のある期間が長いほど、最も良い復習の間隔も長くなったと報告しています(要旨による。Cepeda ほか, 2006)。

どの感覚の形で勉強するかを選ぶときは、人よりも内容を基準にするほうが研究と合っています。2008年の検討も、同じ教え方がすべての内容とすべての学習者に最適だと主張しているわけではないとし、作文の授業には言葉中心の資料が、幾何学には視覚・空間的な資料が必要だという例を挙げています(Pashler ほか, 2008)。読んだ内容を頭の中でイメージにする方法も、イメージしやすい内容と記憶のテストで主に役立ちました(Dunlosky ほか, 2013)。29のレビュー(1,189研究)をまとめた研究は、文章を関連する図の近くに置く、重要な点を目立たせるといったマルチメディア教材の工夫が学びに役立ったとしています(要旨による。Noetel ほか, 2022)。こうした工夫は全員に同じ教材を使うもので、一人ひとりのスタイルに合わせる授業とは違います(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

学習スタイル診断を受けたことがあるなら、結果はたとえば次のように使えます。研究で確かめられた方法ではなく、上の研究に照らした提案です。第一に、結果はどのやり方が楽で疲れにくいかの手がかりと考えましょう。VARKのウェブサイトも結果を、固定したラベルではなく自分の学び方を振り返る出発点として説明しています。第二に、どの形で始めても、本を閉じて思い出す段階と、数日後に見直す段階を必ず加えましょう。講義を聞いたら白紙に思い出せることを書き出す、図で勉強したら図を隠して描き直す、といった具合です。第三に、好みではないやり方を避けないでください。2004年の英国のレビューが引用している指摘のとおり、好みに合わせることで成果が上がったとしても、好みに合わない次の学習課題への備えにはなりません(Coffield ほか, 2004)。

学習スタイルのよくある質問

Q. 視覚型なので、図や動画だけで勉強してもいいですか? A. 視覚型に視覚の授業を合わせた実験をまとめると、はっきりした利点はありませんでした(g = −0.09)(Aslaksen & Lorås, 2018)。図が楽なら図から始めてかまいませんが、図を隠して思い出す自己テストと、日を分けた見直しも組み合わせましょう(Dunlosky ほか, 2013)。

Q. VARKの結果は信頼できますか? A. 自分がどんなやり方を好むかを示す結果として読みましょう。VARKのウェブサイトも、VARKは知能を測ったり成功を予測したりしないとしています。解剖学の授業を受けた学部生426人の研究では、VARKの点数は成績と関連せず、多くの学生は結果に合わないやり方で勉強していました(Husmann & O’Loughlin, 2019)。英国のレビューでは、主な学習スタイル検査13のうち最低限の基準に近かったのは3つでしたが、VARKはその対象ではありませんでした(Coffield ほか, 2004)。

Q. 子どもが聞くのが好きです。聴覚型に合わせて教えるべきですか? A. 5年生を対象にした研究では、聴覚型に分類された子にだけ聞く授業が有利ということはありませんでした。どちらの群も聞くほうで少しよくでき、視覚型に分類された子は読みでも聞き取りでも点数が高かったのです。著者たちは、聞くのを好む子ほどむしろ読む練習が必要かもしれないという意見も述べていますが、研究で直接確かめた結果ではなく著者たちの解釈です(Rogowsky ほか, 2020)。

Q. 複数の感覚を一緒に使うとよく学べますか? A. 文章と図をうまく組み合わせた教材は学びに役立っていました(Noetel ほか, 2022)。ただ、これは全員に同じ教材を使う方法で、一人ひとりに一つの感覚を合わせる授業とは違います(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

Q. 学習スタイルを授業に取り入れてきた先生は間違っていたのですか? A. そう考える必要はありません。調査で信じていると答えた教師は多いものの、質問をどう理解していたかははっきりせず(Newton & Salvi, 2020)、一つの授業で複数のやり方を組み合わせることは別の理由で学びに役立ちえます(Macdonald ほか, 2017)。

Q. 今後、学習スタイルが正しいとわかる可能性はありますか? A. 可能性を完全に閉ざすことはできません。すべての学習スタイルが検証されたわけではなく(Pashler ほか, 2008)、2024年のメタ分析は小さな平均効果(g = 0.31)を報告しました。ただ、その著者たちも効果は小さくまれで、広く取り入れる根拠とは言いがたいと解釈しています(Clinton-Lisell & Litzinger, 2024)。

Q. MBTI別の勉強法とはどう違いますか? A. MBTIは学習スタイルの検査として作られたものではありません。MBTI別勉強法のガイドは、好みを疲れにくく続けやすい勉強のための手がかりとして使い、そのうえでこのガイドと同じ自己テストと分散学習を組み合わせる方法をまとめています。性格特性を得点で知りたいならビッグファイブ性格診断を受けてみてください。

参考文献:Pashler, H., McDaniel, M., Rohrer, D., & Bjork, R. (2008), Learning styles: concepts and evidence, Psychological Science in the Public Interest 9(3), 105–119, https://doi.org/10.1111/j.1539-6053.2009.01038.x; Aslaksen, K., & Lorås, H. (2018), The modality-specific learning style hypothesis: a mini-review, Frontiers in Psychology 9, 1538, https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.01538; Clinton-Lisell, V., & Litzinger, C. (2024), Is it really a neuromyth? A meta-analysis of the learning styles matching hypothesis, Frontiers in Psychology 15, 1428732, https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1428732; Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013), Improving students’ learning with effective learning techniques: promising directions from cognitive and educational psychology, Psychological Science in the Public Interest 14(1), 4–58, https://doi.org/10.1177/1529100612453266; Coffield, F., Moseley, D., Hall, E., & Ecclestone, K. 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