データガイド
セルフ・コンパッションの平均点:韓国の成人と米国の大学生のデータで見る自分の点数
セルフ・コンパッション尺度で、韓国の成人500人の平均は5点中3.35点、短縮版をつくった研究の米国の大学生は3.00点でした。年齢・性別の差と読み方をまとめました。
セルフ・コンパッションの平均点、自分の点数はどのあたり?
セルフ・コンパッション尺度(SCS)は、米国の心理学者クリスティン・ネフがつくった尺度です。つらいときに自分にやさしく接するか、困難を誰にでもあることと捉えるか、気持ちをバランスよく見つめるか、そしてその反対の、自分を厳しく評価する、自分だけだと感じる、感情にのみ込まれるといったことがどのくらいの頻度であるかを1〜5点でたずねます。反対側の項目は逆に計算して平均を出すため、点数が高いほどセルフ・コンパッションが高いことを意味します。mind.ioのセルフ・コンパッション診断は、この尺度の12項目の短縮版を使っています。
20代から60代以上まで年齢層ごとに100人ずつ集めた韓国の成人500人の平均は3.35点でした。短縮版をつくった研究では米国の大学生415人が3.00点で、同じ学生の26項目の原尺度の平均は3.01点でした。
このガイドでは、二つの資料の数字と年齢・性別による違い、点数と心の健康の関係、自分の点数との比べ方、そして数字を読むときに覚えておきたいことをまとめます。
韓国の成人500人:平均3.35点
Limら(2026年)は、オンライン調査会社のパネルに登録した韓国の成人500人に、26項目の韓国語版セルフ・コンパッション尺度(K-SCS)を実施しました。20代、30代、40代、50代、60代以上を100人ずつ、年齢層ごとに男女半々で集め、平均年齢は44.8歳でした。
1〜5点の項目平均で見たセルフ・コンパッションは3.35点(標準偏差0.54)でした。mind.ioが使うネフのおおまかな区分で見ると「ふつう」(2.50〜3.50点)の上のほうです。標準偏差が0.54なので、およそ2.8〜3.9点のあいだなら平均から大きく外れてはいません。
米国の大学生415人:短縮版の平均3.00点
Raesら(2011年)は、原尺度から12項目を選んで短縮版(SCS-SF)をつくり、米国テキサス大学オースティン校の学生415人(女性272人、平均20.6歳)で英語版を確かめました。この学生たちの短縮版の合計は36.00点(標準偏差7.33)で、項目数の12で割ると平均3.00点です。
同じ学生が答えた26項目の原尺度の合計は78.33点で、項目平均は3.01点でした。研究者が調べた三つのサンプルすべてで短縮版と原尺度の合計の相関が.97以上あり、二つの形式はほぼ同じものを測っています。下の表で三つの数字を並べて見られます。
| サンプル | 項目数 | 平均 | 標準偏差 |
|---|---|---|---|
| 韓国の成人(20代〜60代以上) 500人 | 26 | 3.35 | 0.54 |
| 米国の大学生・短縮版 415人 | 12 | 3.00 | 0.61 |
| 同じ学生・原尺度 415人 | 26 | 3.01 | 0.57 |
点数は項目の平均(1〜5点)で、否定的な項目は逆に計算するため、高いほどセルフ・コンパッションが高いことを意味します。米国の大学生の値は、論文に載った合計を項目数で割ったものです。韓国のサンプルはオンラインパネルから年齢と性別をそろえて集めた成人なので、韓国人全体を代表するものではありません。
年齢や性別で違う?
韓国の成人500人のデータでは、年齢とセルフ・コンパッションの相関は.28で、年齢が高いほど点数が少しずつ高い傾向がありました。ただ、年齢で説明できる部分は小さく、同じ年代の中でも人によって大きく違います。
性別による差は大きくありません。多くの研究をまとめたメタ分析(Yarnellら、2015年)では男性が女性よりやや高かったものの、差は小さなものでした。26項目の韓国語版を大学生で検証した研究(Kimら、2008年)でも、二つのサンプルのうち一つでは性別の差がなく、もう一つでだけ男子学生が少し高くなっていました。
点数と心の健康のつながり
同じ韓国の成人のデータでは、セルフ・コンパッションが高い人ほど抑うつ(相関−.60)、ストレス(−.58)、孤独感(−.61)が低く、主観的幸福感(.64)、レジリエンス(.60)、人生の満足度(.50)が高くなっていました。
ただし一度の調査で見た相関なので、セルフ・コンパッションがこうした違いを生むという意味ではありません。気持ちが楽なときほど自分にもやさしくなりやすいように、影響は両方向にありえます。それでも、ランダム化比較試験27件をまとめたメタ分析(Ferrariら、2019年)では、セルフ・コンパッションのトレーニングを受けた人は比較群よりセルフ・コンパッションの点数が中程度上がりました。点数は固定した性格というより、今の自分への接し方の習慣として読むのがよいでしょう。
自分の点数と比べる方法
mind.ioのセルフ・コンパッション診断は、短縮版の12項目に1〜5点で答え、自分への厳しい評価・自分だけだと感じる・感情にのみ込まれる側の6項目を逆に計算して、12項目の平均を出します。上の研究と同じ1〜5点の項目平均なので、数字を並べて見られます。
たとえば3.35点前後なら韓国の成人の平均に近く、3.00点前後なら米国の大学生の平均に近い点数です。尺度をつくったネフは、研究者向けの案内で公式の規準はないとし、誰でも受けられる公開の診断ページでは全体の平均はおおむね3.0前後だと案内しています。mind.ioの結果の三つの区分(1.00〜2.49点は低め、2.50〜3.50点はふつう、3.51〜5.00点は高め)も、ネフが提案したおおまかな目盛りに沿ったもので、診断の基準ではありません。
2.50点より低いなら、つらいときに自分をなだめるより責めるほうに慣れているのかもしれません。欠点ではなく、まだ練習する機会が少なかったスキルなので、結果ページの練習の一つから始めてみてください。
この数字を読むときに覚えておきたいこと
韓国のデータは26項目の韓国語版で、mind.ioは12項目の短縮版です。同じ米国の学生では二つの形式の平均はほぼ同じでしたが(3.00と3.01)、項目数や訳が違うと平均が少し変わることがあります。mind.ioの日本語の設問はmind.ioが訳したものです。
韓国のサンプルはオンラインパネルから年齢と性別をそろえて集めた500人で、韓国人全体から無作為に選んだサンプルではありません。米国のデータは一つの大学の学生で、短縮版を最初につくったオランダ語のサンプルは7点尺度を使っているため、ここでは比べていません。そのため小数点の差で良し悪しを決めるより、自分の点数がおおよそどのあたりにあるかを見るのに使うのがよいでしょう。
セルフ・コンパッションの点数は診断ではありません。ただ、自分を責める気持ちが何週間も続いたり、日々の暮らしが手に負えないほどつらかったりするなら、一人で抱え込まず身近な人や専門家に話してみてください。セルフ・コンパッションと自己肯定感の違いと自己肯定感を高める方法もあわせて読んでみてください。
セルフ・コンパッションの平均点についてよくある質問
Q. セルフ・コンパッションの平均点は何点? A. 26項目の韓国語版セルフ・コンパッション尺度で韓国の成人500人を調べた研究では、平均は5点中3.35点でした。12項目の短縮版をつくった研究の米国の大学生は3.00点でした。
Q. セルフ・コンパッションが3点だと低い? A. いいえ。mind.ioが沿っているネフのおおまかな区分では2.50〜3.50点は「ふつう」で、米国の大学生の平均は3.00点でした。韓国の成人の平均(3.35点)よりは少し低めです。
Q. セルフ・コンパッションの点数は上がる? A. 上がりえます。ランダム化比較試験27件をまとめたメタ分析では、セルフ・コンパッションのトレーニングを受けた人の点数が中程度上がりました。つらいときに大切な人にするように自分に声をかける練習から始めて、数週間後にもう一度受けて変化を確かめてみてください。
参考文献:Lim, J. J., Li, Y., & Seo, Y. S. (2026), Cluster typologies of self-compassion and compassion for others: Associations with mental health and well-being in Korean adults(韓国語), The Korean Journal of Counseling and Psychotherapy 38(1), 187-216, https://doi.org/10.23844/kjcp.2026.02.38.1.187; Raes, F., Pommier, E., Neff, K. D., & Van Gucht, D. (2011), Construction and factorial validation of a short form of the Self-Compassion Scale, Clinical Psychology & Psychotherapy 18(3), 250-255, https://doi.org/10.1002/cpp.702; Neff, K. D. (2003), The development and validation of a scale to measure self-compassion, Self and Identity 2(3), 223-250, https://doi.org/10.1080/15298860309027; Kim, K. E., Yi, G. D., Cho, Y. R., Chai, S. H., & Lee, W. K. (2008), The validation study of the Korean version of the Self-Compassion Scale(韓国語), The Korean Journal of Health Psychology 13(4), 1023-1044, https://doi.org/10.17315/kjhp.2008.13.4.012; Yarnell, L. M., Stafford, R. E., Neff, K. D., Reilly, E. D., Knox, M. C., & Mullarkey, M. (2015), Meta-analysis of gender differences in self-compassion, Self and Identity 14(5), 499-520, https://doi.org/10.1080/15298868.2015.1029966; Ferrari, M., Hunt, C., Harrysunker, A., Abbott, M. J., Beath, A. P., & Einstein, D. A. (2019), Self-compassion interventions and psychosocial outcomes: A meta-analysis of RCTs, Mindfulness 10(8), 1455-1473, https://doi.org/10.1007/s12671-019-01134-6; Neff, K. D., FAQs for researchers, https://self-compassion.org/faqs-for-researchers/; Neff, K. D., Test how self-compassionate you are, https://self-compassion.org/self-compassion-test/.
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