こころのガイド
自己肯定感を高める方法:今日から始められる7つの小さな習慣
自己肯定感は自慢ではなく、自分を大丈夫だと思える土台の感覚です。比較・完璧主義・批判で揺らぐ理由と、小さな約束を守る、自分にやさしく話しかけるなど今日からできる7つの習慣をまとめました。
自己肯定感は「自分への基本的な態度」です
自己肯定感(自尊感情)とは、自分をどれだけ価値のある、まずまず大丈夫な人だと感じているかという全体的な感覚です。心理学で長く使われてきたローゼンバーグ自尊感情尺度(Rosenberg Self-Esteem Scale、1965年)も、自分におおむね満足しているか、自分にはよいところがあると感じるかなど、自分を見る基本的な態度を十の文で尋ねます。mind.io の自己肯定感テストも、この尺度をもとにしています。
自己肯定感が高いというのは、自慢したり、いつも自信満々だったりすることではありません。むしろ失敗したときに「もう終わりだ」ではなく「今回はうまくいかなかったな」と受け止め、褒め言葉も批判もほどよい距離で聞ける状態に近いものです。他人を下げることで保たれる優越感は、強そうに見えても小さなことで揺らぎやすいものです。
また、自己肯定感は固定された点数ではなく、天気のように上がったり下がったりします。試験で失敗した週、失恋した月、慣れない仕事を始めた時期などには、いつもより低く感じることがあります。そこでこの記事では、自己肯定感を一気に上げる秘訣よりも、揺らいだときにもう一度軸を取り戻すための小さな習慣に焦点を当てました。
自己肯定感を揺らす三つのもの:比較、完璧主義、批判
一つ目は比較です。SNS には他人のいちばんよい瞬間だけが載っているのに、私たちはそれを自分の平凡な一日と並べて比べてしまいます。同期の昇進の知らせを見た日に、なぜか自分の仕事がつまらなく思えたなら、問題は自分の仕事ではなく、そもそも不公平な比較の基準なのかもしれません。
二つ目は完璧主義です。「完璧にできないならやらないほうがまし」という考えは始めることを先延ばしにさせ、先延ばしにしたことが「やっぱり自分はだめだ」という証拠のように積み重なります。高い基準そのものが悪いわけではありませんが、100点でなければ0点と数える癖は、自己肯定感を少しずつ確実に削っていきます。
三つ目は批判です。他人からの指摘も痛いものですが、もっと頻繁に私たちを揺らすのは、頭の中で繰り返される自分の声です。会議でのひと言の失敗を夜まで反すうして「なんであんなこと言ったんだろう、ばかみたい」とつぶやくようなものです。こうした厳しい自己批判は、自分を成長させるよりも、次の挑戦を避けさせることが多いのです。
小さな習慣1〜4:自分への接し方を変える
1. 親しい友だちに話すように自分に話しかける。セルフ・コンパッション(自分への思いやり)の研究では、つらいときに自分を責めるより、やさしく接するほうが立ち直りに役立つと考えられています。失敗したら、まず「親しい友だちが同じ失敗をしたら、何と声をかけるだろう?」と考えてみてください。「そういうこともあるよ、次はここだけ気をつけよう」と、友だちにかける言葉をそのまま自分にも聞かせるのです。
2. 自分との小さな約束を守る。自己肯定感は「自分は言ったことを守る人だ」という信頼からも育ちます。毎日1時間の運動のような大きな約束ではなく、水を一杯飲む、10分歩く、本を2ページ読むといった、ほぼ失敗しようのない約束を決めてみてください。守れた日にカレンダーへ印をつけていけば、目に見える記録が積み重なります。
3. うまくできた証拠を集める。気分が落ち込んでいるときや自己肯定感が揺らいでいるときは、うまくいったことより失敗のほうが、より頻繁に、より大きく思い浮かびやすくなります。一日の終わりに、今日できたことを三つ短く書き出してみてください。「先延ばしにしていたメールに返信した」「同僚の質問に落ち着いて答えた」のように、ささいなことでかまいません。数週間たてば、自己批判が強くなったときに取り出せる反対の証拠ができあがります。
4. 小さな境界線を引く。気が進まない頼みごとをいつも引き受けていると、「自分の時間や気持ちはそれほど大事ではない」というメッセージを自分に送ることになります。最初からきっぱり断るのが難しければ、「今日は難しいけれど木曜日なら大丈夫」と条件をつけたり、すぐに返事をせず「確認してから連絡するね」と時間をかせいだりするところから始めてみてください。
小さな習慣5〜7:環境と体を整える
5. 比較を呼ぶ刺激を減らす。特定のアカウントやグループチャットを見たあとに決まって気分が沈むなら、それは意志が弱いからではなく、環境の影響かもしれません。1週間そのアカウントをミュートしたり、寝る前の30分は SNS を開かないルールを決めたりしてみてください。それでも比較が浮かんだら、基準を「他人と自分」から「先月の自分と今の自分」に切り替えてみましょう。
6. 睡眠と体の基本を整える。睡眠不足の日や食事を抜いた日は、同じ出来事でもずっと大きく感じられ、自己批判もふくらみやすくなります。自己肯定感の問題に見えていたものが、実はたまった疲れだったということも少なくありません。同じくらいの時間に寝て起きる、昼間に少しでも日の光を浴びて歩く、食事を抜かないといった基本から守ってみてください。
7. 得意なことや好きなことに時間を使う。自己肯定感は「自分は何ができる人なのか」を実際に確かめるときに強くなります。誰かに教える、何かを作る、ごちゃごちゃしたものを整理するなど、自分の強みが表れる活動を週に一度でも予定に入れてみてください。自分の強みがまだわからなければ、性格の強みテストで代表的な強みを先に見つけるのも一つの方法です。
七つを一度に始める必要はありません。いまいちばん簡単そうなものを2週間ほど続け、慣れてきたら一つずつ増やしてみてください。習慣は大きさより繰り返しが大切で、小さな成功が積み重なる経験そのものが、自己肯定感を育てる材料になります。
自分への話しかけ方を変える:言い換えの例
自己肯定感を揺らす考えは、たいてい「いつも」「絶対」「みんな」のような決めつけの言葉から始まります。こうした考えを無理にポジティブな言葉で覆い隠そうとすると、かえってうそのように感じられることがあります。だからこそ「私は最高」よりも、事実に近くバランスのとれた文に言い換えるほうがずっと効果的です。
たとえば「私はいつも失敗ばかり」は「今回の報告書で数字を一つ見落とした。次は提出前にもう一度確認しよう」に、「みんな私を情けないと思っているはず」は「気にした人もいるかもしれないけれど、ほとんどの人は自分のことで忙しい」に言い換えられます。「なんで自分はこの程度なんだろう」と思ったときは、「今はここまで来た。次の一歩はこれ」と言ってみてください。
自分に投げかけると役立つ質問もあります。「この考えを支える証拠と、反対の証拠はそれぞれ何だろう?」「1年後もこのことは今と同じくらい大事だろうか?」「今の自分に必要なのは批判だろうか、休息だろうか?」といった質問です。考えを消そうとするより、一歩離れて眺める練習だと思えば、ずっと気が楽になります。
ひとりで抱えきれないときは、助けを求めていい
小さな習慣は日々の揺らぎに向き合う助けになりますが、すべての困難をひとりで解決しなければならないという意味ではありません。数週間以上ほぼ毎日無気力だったり、睡眠や食事が大きく乱れていたり、自分は役に立たないという考えがずっと離れなかったりするなら、カウンセラーやメンタルヘルスの専門家に相談してみることをおすすめします。体重や体型への心配から食事が乱れているなら、摂食障害もあわせて読んでみてください。
助けを求めるのは弱さの証拠ではなく、自分を大切に扱う行動です。学校や職場の相談窓口、地域の精神保健の窓口など、身近なところから始めれば十分です。もし自分を傷つけたいという考えが浮かんだら、ためらわずによりそいホットライン(0120-279-338、24時間・無料)にすぐ連絡してください。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
また、この記事も自己肯定感テストの結果も、診断ではありません。点数が低く出たからといって自分に問題があるという意味ではなく、最近の自分が自分をどう見ているかを知らせる一つのサインとして受け止めれば十分です。
自己肯定感テストの結果を習慣につなげる方法
mind.io の自己肯定感テストは、ローゼンバーグ尺度の10項目で、今の自己肯定感を0点から30点のスコアで示します。結果を確認したら、点数そのものより、どの文に特に引っかかったかを思い出してみてください。役に立たないと感じる瞬間についての文がつらかったなら「うまくできた証拠を集める」が、自分を尊重する態度についての文が気になったなら「友だちに話すように話しかける」がよい出発点になります。
一つか二つの習慣を2〜4週間ほど続けたあとでもう一度テストしてみると、小さな変化を確かめられるかもしれません。ただ、点数はその日の気分によっても少しずつ変わります。点数が大きく変わらなくても大丈夫です。自己肯定感は数字よりも先に、「つらい日でも前ほど自分を責めなくなった」という感覚として変わることが多いからです。
ひとりで抱えなくて大丈夫です
自分を傷つけたい気持ちになったときや、心がつらくてたまらないときは、下の窓口に相談できます。よりそいホットラインは24時間つながります。
- よりそいホットライン 0120-279-338 24時間・無料
- いのちの電話(ナビダイヤル) 0570-783-556 毎日10:00〜22:00・通話料がかかります
- いのちの電話(フリーダイヤル) 0120-783-556 毎日16:00〜21:00・無料
今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
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