こころのガイド
火病(ファビョン):症状と原因、うつ病や憤怒調節障害との違い、助けになること
火病(ファビョン)を研究から整理。症状と原因、うつ病・パニック・間欠爆発症との違い、どのくらい多いか、韓医学ガイドラインの推奨と根拠の強さ、相談先まで。
ファビョン(火病)とは:ため込んだ怒りが体に出る症候群
ファビョン(火病、hwabyung)は、悔しさや憤りを長く我慢するうちにたまった怒りが、体と心の症状として現れる状態を指す韓国の言葉です。大韓韓方神経精神科学会が2021年に出した火病の韓医学標準臨床診療ガイドライン(以下、火病ガイドライン)は、火病を、怒りのような否定的な感情が解消されず、「火(ファ)」のかたちで噴き出す症候群と説明しています。体には胸の苦しさ、ほてり、何かがこみ上げてくる感じ、のどやみぞおちに塊がつかえている感じが現れ、心には悔しく腹立たしい気持ちや、心のしこり、恨(ハン)があり、こうした症状ははっきりしたストレスの出来事と結びついているとしています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。ただし、ひとつの出来事の直後というより少しずつ始まり、特定の出来事とはっきり結びつかないという分析もあります(Joe ほか, 2017)。
「火(ファ)」は怒りと火の両方を意味します。韓国の精神科医ミン・ソンギルは、火病を、長く抑え込まれて濃くなった怒りが、一部は抑えられ一部は表に出る慢性の怒りの症候群と説明しています。最も典型的な症状は主に上半身に感じるほてりで、顔が赤くなる、体の中が煮えたぎるような感じ、汗、暑い場所に耐えられず外に出たくなるといったことを伴うことがあります。動悸と口の渇きも典型的で、いらだちや口論、怒りの涙、止めにくい訴え(嘆き話)、頻繁なため息といった行動にも現れるとしています(Min, 2008)。自分を火病だと考える患者を分析した研究は、怒りとだけ関連した悔しさ、主観的な怒り、表に出た怒り、ほてり、胸に突き上げてくる感じ、口の渇き、ため息を診断基準の中核症状として提案し、怒りとうつの両方と関連した胸の詰まり、恨、憎しみも特徴的な症状として提案しました(Min ほか, 2009)。
日常の韓国語では「火病になった」という言い方をもっと広く使います。ミン・ソンギルは、人々がこの言葉を、たまった怒りだけでなく、長いストレスによる体の不調や、ショックな出来事のあとの状態にまで使うと述べています(Min, 2008)。そのため、同じ「火病」という言葉でも、人によって指している状態が違うことがあります。
mind.ioには火病を見分けるテストはありません。研究や診療では面接や火病尺度(Kwon ほか, 2008)のような道具で評価しますが、この記事は質問項目や基準点を載せていません。うつのセルフチェック(PHQ-9)と不安のセルフチェック(GAD-7)は火病のテストではありませんが、火病と一緒に現れることの多いうつや不安の症状を、過去2週間について確かめられます。どのセルフチェックの結果も診断ではありません。
火病は診断名なの?
韓国の精神医学界では1960年代から火病が論じられ、1977年からは体系的な研究が行われてきました(Min, 2008)。英語圏の学界には、1983年に米国の精神医学の学術誌の症例報告で初めて紹介されました。この報告の3人の患者は、みぞおちに塊があると感じていましたが診察では見つからず、医師が安心させてもなかなか消えない、今にも死ぬのではという恐怖も抱えていました(Lin, 1983)。火病は1994年、米国精神医学会の診断マニュアル第4版(DSM-IV)の付録「文化結合症候群の用語集」に載りました(Min, 2008)。米国の診断基準を引用したある研究は、怒りを主な心理症状とし、疲労、パニック、今にも死ぬのではという恐怖、落ち込み、消化不良、食欲低下、息切れ、速い脈、全身の痛み、みぞおちに塊がある感じをそのほかの症状としてまとめています(Im ほか, 2017)。
2013年に出た第5版(DSM-5)は、「文化結合症候群」という概念を「文化的症候群」を含む3つの概念に置き換え(Lee ほか, 2014)、火病ガイドラインは、この概念が縮小するなかで火病はDSM-5から外れたと説明しています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。韓国の疾病分類には、第6次改訂から韓医学の病名コードとして火病(U22.2)が入っています(Kwon ほか, 2024)。ただし火病ガイドラインによると、西洋医学の医療機関は火病そのものは診断せず、一緒にある病気や症状を治療しており、火病という病名での診療は韓医師が担っています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。
火病を独立した病気とみるかどうかは、長く議論されてきました。米国に住む韓国系住民109人に面接した研究は、火病を経験したと答えた人に大うつ病が多いことから、火病はうつ病を抱える韓国人が文化的になじんだかたちで表現したものかもしれないと考えました(Lin ほか, 1992)。一方ミン・ソンギルは、火病の症状は怒りに関わっていてうつ病とは違うとして、新しい「怒りの障害」に分類することを提案しました(Min, 2008)。韓国の医師たちは1970年代から、伝統的な「鬱火」の考え方とDSMのうつ病のあいだで火病を説明してきており(Suh, 2013)、2021年の文献レビューは、火病はDSM-5に反映されていないとまとめています(Suh ほか, 2021)。
どのくらい多い?中年女性だけのもの?
火病がどのくらい多いかは、どう定義し、誰を調べたかによって大きく変わります。火病ガイドラインは、韓国国内の有病率を4.2〜13.3%と紹介しています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。1990年に報告されたある農村地域の調査では住民の4.1%が火病とされ(Min, 2008)、全国の7つの大都市と6つの道で41〜65歳の女性2,807人を調べた研究では、火病を経験したと自分で答えた割合は4.95%でした。この研究では、社会経済的地位が低い、農村に住んでいる、離婚や別居をしている、喫煙や飲酒をする女性で割合が高くなっていました(Park ほか, 2001)。
決まった診断基準と面接を使った2017年の研究では、割合はもっと低くなりました。精神科の病歴がない12〜75歳の290人のうち、火病の基準に当てはまったのは2.1%(6人)で、そのうち3人は男性でした。研究者たちは、これまでの研究の多くが自分で火病だと答えたことを基準にしていたため割合が高かった可能性があると考えました。ただしこの研究は、ひとつの都市で集めた標本でした(Joe ほか, 2017)。
中年以降の女性に多いとされますが、女性だけのものではありません。火病ガイドラインに載っている健康保険の統計では、火病(U22.2)で診療を受けた人は2017年に13,757人で、そのうち2,841人が男性でした。男性は2013年より25.9%増え、女性は6%減っていました。年代別では60代(22.6%)が最も多かったものの、男性だけを見ると40代(20.3%)が最も多くなっていました(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。2019年には14,064人が火病で診療を受けました(Suh ほか, 2021)。これらの数は診療を受けた人の数で、実際に火病を抱える人の数を示すものではありません。
若い世代も例外ではありません。2024年に1980〜2005年生まれの449人を対象にしたオンライン調査では、36.3%が火病尺度の症状の基準を超え、その割合は男性(240人中84人)と女性(209人中79人)で同じくらいでした。ほかの要因をあわせて考えると女性のほうが当てはまりやすかったものの(オッズ比2.314)、これは調査会社のパネルが自分で答えた結果で診断ではなく、研究者たちもこの世代全体を代表していない可能性があるとしています(Kwon ほか, 2024)。
米国に住む韓国系住民109人に面接した1992年の研究では、12%が火病を経験したと答え、火病を経験したという人とそうでない人のあいだに目立った社会人口学的な違いはありませんでした(Lin ほか, 1992)。
うつ病・パニック・憤怒調節障害との違い
火病は、うつ病や不安と一緒に現れることが多いものです。うつ病、不安症、身体表現性障害、適応障害で診療を受けた患者や、自分を火病だと考える患者280人を調べた研究では、183人が火病の研究用診断基準に当てはまり、そのうち47人は火病だけで、残りはほかの診断もあわせもっており、大うつ病性障害や全般不安症が最も多くなっていました(Min & Suh, 2010)。韓国の国家精神健康情報ポータルも、火病は悔しさ、怒り、憎しみ、落ち込みといった感情の症状と、胸の痛み、ほてり、胸苦しさといった体の症状が一緒に現れ、うつ病と身体症状症が混ざった状態のように見えると説明しています(国家精神健康情報ポータル, 2020)。
それでも違いはあります。自分を火病だと考える患者89人を分析した研究では、悔しさ、主観的な怒り、表に出た怒り、ほてり、胸に突き上げてくる感じ、口の渇き、ため息は怒りとは関連していましたが、落ち込んだ気分とは関連していませんでした(Min ほか, 2009)。一方、高齢の患者を比べた研究では、火病の患者58人のほうがうつ病の患者180人より、怒りだけでなく抑うつ症状の点数も高くなっていました(Im ほか, 2017)。火病だと感じるなら、うつ病や不安もあわせて確かめたほうがよい理由です。
火病の症状は、死にたい気持ちと関連することもあります。2024年のオンライン調査で、気分障害の病歴がない1980〜2005年生まれの457人を調べると、火病の症状の点数が高い人ほど、過去1週間に自ら命を絶つことを考えたと答える可能性がやや高くなっていました。この関連は抑うつ症状を考慮しても残りましたが、統計的にぎりぎり意味がある程度で(オッズ比1.05)、抑うつ症状との関連のほうがよりはっきりしていました(オッズ比1.41)(Kwon, 2024)。死にたい気持ちや自分を傷つけたい気持ちがあるなら、一人で抱えず、すぐに「よりそいホットライン」(0120-279-338、24時間・無料)に連絡してください。いのちの電話(0570-783-556、毎日10:00〜22:00・通話料がかかります)もあり、韓国では109(24時間・無料)、韓国以外にお住まいならかかりつけ医や地域の精神保健サービスも相談先です。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
韓国で「憤怒調節障害」とよく呼ばれる間欠爆発症とも違います。間欠爆発症は、暴言や暴行、物の破壊のような攻撃的な爆発が短く繰り返されるのが特徴ですが(WHO, 2025)、火病の怒りは主に内側で感じて長く続く怒りで、一部は抑えられ、一部はときどき表に出ます(Min ほか, 2009)。火病の診断基準の中心も、攻撃行動ではなく、悔しさや主観的な怒りといった内面の経験です(Suh ほか, 2021)。怒りが爆発するかたちで出る問題は怒りのコントロール法で扱っています。
動悸、ほてり、息苦しさが一度に押し寄せてパニック発作のように感じることもありますが、ミン・ソンギルは、火病のこうした発作はパニック発作よりたいていゆっくり始まり、ゆっくり消えると説明しています(Min, 2008)。それでも、症状だけで自分で見分けようとしないでください。突然の胸の痛みや締めつけられる感じが治まらないとき、痛みが腕、首、あご、背中に広がるとき、胸の痛みとともに汗が出たり、吐き気やふらつき、息切れがあったりするときは、火病やパニックだと決めつけず、すぐに119番に連絡してください(NHS, 2023)。火病ガイドラインも、更年期の症状や甲状腺の機能の異常といった体の病気が火病に似た症状を起こしうるので、診療の初めに見分ける必要があるとしています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。パニック発作についてはパニック発作の対処法を参考にしてください。
なぜ起こる?長く積み重なった悔しさ
火病の原因として最もよく挙げられるのは、繰り返される理不尽な状況です。ミン・ソンギルによると、患者たちは円満な関係を壊さないよう怒りを我慢しなければならず、腹の立つ状況が繰り返されるうちに抑えた怒りがたまって濃くなったと説明しています。最も多いきっかけは、夫や姑からの暴力のような家族の中での理不尽な扱いで、貧困、暴力、差別、孤立、搾取、事業の失敗や昇進できなかったこと、財産の損失、不当な判決、裏切りや詐欺もきっかけになりました(Min, 2008)。家の中で暴力が起きているなら、怒りを抑えることより安全が先です。差し迫った危険があるときはすぐに110番(韓国では112)に連絡し、内閣府の「DV相談ナビ」(#8008)で相談できます。韓国では、家庭内暴力や交際相手からの暴力の相談を女性緊急電話1366(24時間)が受けています。
韓国語の「恨(ハン)」もよく一緒に語られます。ミン・ソンギルは、恨を、恋しさ、悲しみ、後悔、落ち込みに、憎しみや復讐心が混ざった複雑な感情と説明し、個人や集団が受けた傷、満たされない願い、抑えた怒りや悔しさから生じると考えました(Min, 2008)。また、火病はたいていひとつの出来事よりも長いストレスのなかで少しずつ始まる点で、理不尽な出来事の直後の憤りが中心となる心的外傷後憤怒障害(PTED)とは区別されるという分析もあります(Joe ほか, 2017)。
火病の患者の経験を扱った質的研究7本をまとめた文献レビューは、怒りがこみ上げる経験、特定の相手や状況を責める気持ち、コントロールしにくい体と感情の症状、そして我慢し妥協してひとまずしのぐ対処を、共通する経験として挙げました。研究者たちは、火病の患者は感情の調整の難しさと体の症状のために制御を失いそうに感じるので、対処を助ける専門的な支援が必要だと考えました(Suh ほか, 2021)。
火病は、家父長的な家族文化のなかで暮らす中年女性の経験とともに研究されてきました。ただ、こうした説明を提案したあるレビュー自身も、これをすべての韓国人にそのまま当てはめると固定観念を強めかねず、すべての韓国人が伝統的な価値観に従っているわけではないと限界を述べています(Lee ほか, 2014)。火病は「韓国の女性の病気」というより、理不尽だと感じる状況で怒りを長く我慢してきた人に起こりうる苦しみと考えるほうが、上の研究とよく合います。
治療:韓医学ガイドラインの推奨と根拠の強さ
2021年の火病ガイドラインは、系統的レビューと専門家の合意によって、治療ごとに推奨度(A〜D)と根拠の確かさ(高〜非常に低)をつけています。最も強い推奨(A、根拠の確かさは中等度)はカウンセリングで、集団カウンセリングが待機群より火病の症状と怒りの点数を減らしたという結果にもとづいています。ガイドライン作成の時点で、火病の患者で根拠があるカウンセリングの技法は、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)だけでした。ただしこの推奨は、待機群と比べた準ランダム化試験2件、合わせて39人の結果にもとづくもので、ふだんの怒りっぽさ(特性怒り)は有意には変わりませんでした(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。
瞑想は「考慮すべきである」(B、中等度)とされ、火病の患者22人を瞑想群と待機群に分けたランダム化試験1件で、瞑想群のほうが火病の症状とうつ、不安が大きく減ったという結果にもとづいています。深呼吸、漸進的筋弛緩法、自律訓練法のようなリラクセーション法も「考慮すべきである」(B)でしたが、根拠の確かさは非常に低く、火病の患者を対象にした研究は症例報告だけでした。感情解放テクニック(EFT)は比べた別の治療よりよいわけではありませんでしたが、両方で怒りの症状が減ったため「考慮してもよい」(C、低)とされました(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。
韓方薬(漢方薬にあたる韓国の生薬処方)は「考慮すべきである」(B、中等度)でしたが、ランダム化試験をまとめるとプラセボより火病の症状を有意に減らせませんでした。ガイドラインは、プラセボ群の効果が通常よりかなり大きかったことと、服用後に火病尺度が臨床的に意味のある程度に下がったことを理由に挙げています。安全性については、ある試験で軽い消化不良が韓方薬群27%、プラセボ群4.5%と、韓方薬群でより多く見られました。鍼は無治療よりは効果がありましたが、偽の鍼(シャム)とは有意な差がなく「考慮してもよい」(C、低)でした。ガイドラインは、偽の鍼にも刺激の効果が残っていた可能性があると付け加えています。ともなう症状に応じて使う薬鍼、灸、吸い玉(カッピング)は、いずれも「考慮してもよい」(C、非常に低)でした。また、火病の患者はうつ病、不安、不眠といったほかのストレス性の病気をあわせもつことが多いので、すでに飲んでいる西洋薬との相互作用を考えて韓方薬を使うべきだとしています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。処方薬を飲んでいるなら韓医師に、韓方薬を飲んでいるなら処方した医師にも伝えてください。
ガイドライン自身も、火病の研究は韓国国内でしか行われておらず、根拠が絶対的に不足していると述べています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。その後の系統的レビューも同じ限界を指摘しています。心身療法の研究9本(うちランダム化試験5本)をまとめたレビューは、アートセラピーが待機群より火病尺度を下げたと報告しつつ、診断の信頼性、評価者の盲検化、適切な対照群に問題があったとし(Kwon & Lee, 2024)、心理療法の研究9本(うち対照臨床試験7本)をまとめたレビューは、適切な対照群がないといった限界のために質の高い根拠を得るのは難しいと結論づけました(Kwon & Lee, 2025)。火病を確実に「完治」させるという宣伝には注意してください。
精神科では、火病という病名ではなく、一緒にあるうつ病や不安症といった病気を診断して治療します(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。ミン・ソンギルは2008年の時点で、火病そのものを対象にした系統的な薬物の臨床試験はまだないとし、怒りを減らすための心理療法と薬物療法の併用、アンガーマネジメントや認知行動療法が使われうるとし、抑圧的な家族関係が深く関わっているなら家族への介入も必要だと考えました(Min, 2008)。火病ガイドラインも、症状が重いときや精神科的な緊急事態では、精神科の専門的な治療や入院、西洋医学の治療の併用を考えるよう求めています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。薬は処方を通してのみ使い、すでに飲んでいるなら自分の判断で急にやめず、処方した医師にまず相談してください。
自分でできることと相談先
怒りをひたすら我慢することも、逆にぶちまけることも、答えにはなりにくいものです。ある実験では、怒らせた相手のことを考えながらサンドバッグを叩いた人は、かえって怒りと攻撃性が強まりました(Bushman, 2002)。高齢の患者を研究した研究者たちは、怒りを抑え込むより適切に表現することが火病のリスクを下げるかもしれないと提案しています(Im ほか, 2017)。その場の怒りをしずめる方法や、「わたしメッセージ」のように自分の気持ちを落ち着いて伝える方法は怒りのコントロール法に、体の緊張をほぐす呼吸とリラクセーションはストレス解消法にまとめています。
火病ガイドラインが火病の治療に活用できると紹介している瞑想プログラムは、慈悲の瞑想とマインドフルネスストレス低減法(MBSR)です。ガイドラインは、瞑想の効果は指導者の熟練度によって変わりうるため、経験のある韓医師の指導を受けてから行うよう勧めています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。人生がむなしく感じたり、自分がみじめに思えたりするときは、セルフ・コンパッションの育て方も参考にしてください。
火病ガイドラインの診断基準には、家事、仕事、人間関係の困難といった生活の機能の低下が含まれています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。症状が長く続き、こうした困難が出ているなら、一人で抱えず受診してください。胸の痛みが出たり消えたりするときや、すぐ治まっても心配なときは、医師に確かめてもらいましょう(NHS, 2023)。
韓国以外にお住まいなら、かかりつけ医や地域の精神保健サービスが最初の窓口です。韓国では、精神科で診療を受けたり、市・郡・区の精神健康福祉センターに問い合わせて相談やほかの機関への紹介を受けたりできます。精神健康危機相談電話1577-0199(24時間)に電話すると、近くの精神健康福祉センターにつながり、相談や心の健康の情報、医療機関の案内を受けられます(韓国保健福祉部, 2025)。2026年には、うつ・不安などの情緒的な困難がある人に専門の心理カウンセリング8回(1回50分以上)を支援する「精神健康心理相談バウチャー」(旧「全国民心の投資支援事業」)が実施されています。精神健康福祉センターや大学の相談センターなどの紹介状、精神科の診断書や意見書、国の健康診断のうつ病スクリーニング(PHQ-9)で10点以上という結果などの証明が必要で、自己負担は健康保険料に応じて0〜50%です。mind.ioのセルフチェックの結果は証明になりません(韓国保健福祉部, 2026)。
心が疲れきって消えてしまいたいと思うなら、一人で抱えず、すぐに「よりそいホットライン」(0120-279-338、24時間・無料)に連絡してください。いのちの電話(0570-783-556、毎日10:00〜22:00・通話料がかかります)もあり、韓国では109(24時間・無料)や精神健康危機相談電話1577-0199(24時間)、韓国以外にお住まいならかかりつけ医も相談先です。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
よくある質問
Q. 火病のテストはありますか? A. mind.ioには火病を見分けるテストはありません。火病ガイドラインは、火病の面接検査、火病の診断のための構造化面接、火病の症状尺度で評価するよう案内しています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。PHQ-9とGAD-7は火病のテストではなく、過去2週間のうつと不安の症状を確かめる道具です。点数にかかわらず、死にたい気持ちがあるなら、すぐに「よりそいホットライン」(0120-279-338、24時間・無料)に連絡してください。いのちの電話(0570-783-556、毎日10:00〜22:00・通話料がかかります)もあり、韓国では109(24時間・無料)、韓国以外にお住まいならかかりつけ医も相談先です。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
Q. 火病は中年女性だけがなるものですか? A. いいえ。中年以降の女性に多く報告されてきましたが、2017年に健康保険で火病の診療を受けた13,757人のうち2,841人は男性で、男性では40代が最も多くなっていました(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。2024年の若い世代のオンライン調査でも、火病尺度の基準を超えた割合は(単純な割合では)男女で同じくらいでした(Kwon ほか, 2024)。
Q. 胸が苦しくて動悸がするのは火病ですか? A. その可能性はありますが、自分で決めつけないでください。突然の胸の痛みや締めつけられる感じが治まらないとき、痛みが腕、首、あご、背中に広がるとき、胸の痛みとともに汗が出たり、吐き気やふらつき、息切れがあったりするときは、火病やパニックだと決めつけず、すぐに119番に連絡してください(NHS, 2023)。そうでなくても、甲状腺の機能の異常や更年期の症状といった体の病気が似た症状を起こすことがあるので、受診して確かめるとよいでしょう(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。
Q. 韓医院と精神科のどちらに行けばいいですか? A. どちらから始めてもかまいません。火病という病名での診療は韓医学の医療機関で行われ、精神科では一緒にあるうつや不安を診断して治療します。火病ガイドラインも、症状が重いときや緊急のときは精神科の専門的な治療を考えるよう求め、すでに飲んでいる西洋薬と韓方薬の相互作用を考えるようにとしています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。両方に通うなら、飲んでいる薬をそれぞれに伝えてください。
Q. 怒りを爆発させればすっきりしませんか? A. ある実験では、怒らせた相手のことを考えながらサンドバッグを叩いた人は、かえって怒りと攻撃性が強まりました(Bushman, 2002)。怒りを落ち着いて言葉で伝える方法は怒りのコントロール法にまとめています。
Q. 火病は完治しますか? A. 断言はできません。病院を訪れた患者を扱った以前の研究では、受診した時点ですでに平均10年以上続いていたという慢性の経過が報告されています(Min, 2008)。カウンセリングや瞑想などで症状が減ったという研究はありますが、多くは小さな研究で、ガイドライン自身も根拠が絶対的に不足しているとしています(大韓韓方神経精神科学会, 2021)。それでも症状が軽くなる人はいるので、一人で我慢するより助けを求めてみてください。
Q. 悔しくて疲れきって、死にたいと思ってしまいます。 A. 一人で抱えないでください。すぐに「よりそいホットライン」(0120-279-338、24時間・無料)に連絡してください。いのちの電話(0570-783-556、毎日10:00〜22:00・通話料がかかります)もあり、韓国では109(24時間・無料)や精神健康危機相談電話1577-0199(24時間)、韓国以外にお住まいならかかりつけ医や地域の精神保健サービスも相談先です。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。信頼できる人に今の気持ちをそのまま話してください。
参考文献:Korean Society of Oriental Neuropsychiatry (2021), Korean Medicine clinical practice guideline for hwabyung [in Korean], National Institute for Korean Medicine Development, https://nikom.or.kr/nckm/module/practiceGuide/viewPDF.do?guide_idx=147; Min, S. K. (2008), Clinical correlates of hwa-byung and a proposal for a new anger disorder, Psychiatry Investigation 5(3), 125-141, https://doi.org/10.4306/pi.2008.5.3.125; Min, S. K., Suh, S.-Y., & Song, K.-J. (2009), Symptoms to use for diagnostic criteria of hwa-byung, an anger syndrome, Psychiatry Investigation 6(1), 7-12, https://doi.org/10.4306/pi.2009.6.1.7; Kwon, J.-H., Kim, J. W., Park, D. K., Lee, M. S., Min, S. K., & Kwon, H. I. (2008), Development and validation of the Hwa-Byung Scale [in Korean], Korean Journal of Clinical Psychology 27(1), 237-252, https://doi.org/10.15842/kjcp.2008.27.1.014; Lin, K.-M. (1983), Hwa-Byung: A Korean culture-bound syndrome?, American Journal of Psychiatry 140(1), 105-107, https://doi.org/10.1176/ajp.140.1.105; Im, C.-S., Baeg, S., Choi, J.-H., Lee, M., Kim, H. J., Chee, I.-S., et al. (2017), Comparative analysis of emotional symptoms in elderly Koreans with hwa-byung and depression, Psychiatry Investigation 14(6), 864-870, https://doi.org/10.4306/pi.2017.14.6.864; Lee, J., Wachholtz, A., & Choi, K.-H. (2014), A review of the Korean cultural syndrome hwa-byung: Suggestions for theory and intervention, Journal of Asia Pacific Counseling 4(1), 49-64, https://doi.org/10.18401/2014.4.1.4; Kwon, C.-Y., Kim, J. Y., & Park, S. Y. (2024), Hwa-Byung (anger syndrome) in the MZ generation of Republic of Korea: A survey, Journal of Clinical Medicine 13(22), 6667, https://doi.org/10.3390/jcm13226667; Lin, K.-M., Lau, J. K., Yamamoto, J., Zheng, Y. P., Kim, H. S., Cho, K. H., & Nakasaki, G. (1992), Hwa-byung: A community study of Korean Americans, Journal of Nervous and Mental Disease 180(6), 386-391, https://doi.org/10.1097/00005053-199206000-00008; Suh, S. (2013), Stories to be told: Korean doctors between hwa-byung (fire-illness) and depression, 1970-2011, Culture, Medicine and Psychiatry 37(1), 81-104, https://doi.org/10.1007/s11013-012-9291-x; Suh, H.-W., Lee, K.-B., Chung, S.-Y., Park, M., Jang, B.-H., & Kim, J. W. (2021), How suppressed anger can become an illness: A qualitative systematic review of the experiences and perspectives of hwabyung patients in Korea, Frontiers in Psychiatry 12, 637029, https://doi.org/10.3389/fpsyt.2021.637029; Park, Y. J., Kim, H. S., Kang, H. C., & Kim, J. W. (2001), A survey of Hwa-Byung in middle-age Korean women, Journal of Transcultural Nursing 12(2), 115-122, https://doi.org/10.1177/104365960101200205; Joe, S., Lee, J. S., Kim, S. Y., Won, S.-H., Lim, J. S., & Ha, K. S. (2017), Posttraumatic embitterment disorder and hwa-byung in the general Korean population, Psychiatry Investigation 14(4), 392-399, https://doi.org/10.4306/pi.2017.14.4.392; Min, S. K., & Suh, S.-Y. (2010), The anger syndrome hwa-byung and its comorbidity, Journal of Affective Disorders 124(1-2), 211-214, https://doi.org/10.1016/j.jad.2009.10.011; World Health Organization (2025), ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics, 6C73 Intermittent explosive disorder, https://icd.who.int/browse/2025-01/mms/en; National Center for Mental Health (2020), Somatic symptom disorder [National Mental Health Information Portal, in Korean], https://www.mentalhealth.go.kr/portal/disease/diseaseDetail.do?dissId=8; Kwon, C.-Y. (2024), Hwa-byung (anger syndrome) as a risk factor for suicidal ideation in MZ generation: A survey study in South Korea, Frontiers in Psychology 15, 1461750, https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1461750; NHS (2023), Chest pain, https://www.nhs.uk/symptoms/chest-pain/; Kwon, C.-Y., & Lee, B. (2024), Effectiveness of mind-body medicine for Hwa-Byung (a Korean cultural diagnosis of suppressed anger): A systematic review of interventional studies, Complementary Therapies in Medicine 80, 103016, https://doi.org/10.1016/j.ctim.2024.103016; Kwon, C.-Y., & Lee, B. (2025), Effectiveness of psychotherapy for Hwa-Byung: A systematic review of interventional studies, Medicine 104(6), e41315, https://doi.org/10.1097/MD.0000000000041315; Bushman, B. J. (2002), Does venting anger feed or extinguish the flame? Catharsis, rumination, distraction, anger, and aggressive responding, Personality and Social Psychology Bulletin 28(6), 724-731, https://doi.org/10.1177/0146167202289002; Ministry of Health and Welfare (2025), Community mental health welfare centres and the mental health crisis line [in Korean], https://www.mohw.go.kr/menu.es?mid=a10706040100; Ministry of Health and Welfare (2026), 2026 mental health counselling voucher programme guideline and leaflet [in Korean], https://www.mohw.go.kr/board.es?act=view&bid=0026&list_no=1488771&mid=a10409020000.
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