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解釈ガイド

愛着スタイル診断はどこまで正確? 信頼性と結果が変わる理由

愛着スタイル診断の結果が受けるたびに変わるのはなぜ?研究用の愛着尺度の信頼性、四つのタイプが二つの軸の区切りにすぎない理由、50付近でタイプが入れ替わる仕組みと読み方をまとめました。

愛着スタイルの結果が変わったら、診断が間違っているの?

前回は不安型だったのに、もう一度受けたら安定型だった、恋愛中と別れたあとで結果が違った、サイトごとにタイプが違った、という話はよくあります。すると「愛着スタイル診断は信頼できるの?」「本当の自分の愛着スタイルは何?」という疑問が自然にわいてきます。

結論から言うと、結果が変わるのは珍しいことではなく、説明できる理由があります。研究で使われる愛着の質問紙は、数週間後に測り直しても点数がかなり近く出ますが、検査ごとに設問と採点の仕方が違います。また、安定型・不安型・回避型・恐れ・回避型という四つの名前は、不安と回避という二つの点数を基準線で区切って付けたものなので、基準線の近くでは小さな差でも名前が変わります。そして愛着の点数には、長く続く傾向と、いまの関係や気分の両方が含まれています。

この記事では、研究者が愛着の質問紙の正確さをどう確かめてきたか、測り方によって結果が違う理由、人が本当に四つのタイプに分かれるのか、mind.ioの診断でタイプが入れ替わる仕組み、愛着の点数がどれくらい安定しているのかを順にまとめました。正解のタイプを決める記事というより、自分の結果を迷わず、役立つ形で読むための記事です。MBTIとエニアグラムの結果が変わる理由は、MBTI診断の正確さのガイドとエニアグラムの正確さのガイドにまとめています。

正確さは信頼性と妥当性で考えます

心理検査の正確さを語るときは、ふつう二つの点を見ます。信頼性は、同じ人がもう一度受けたときに似た結果が出るか(再検査信頼性)、一つの軸を測る設問どうしが一貫して動くか(内的一貫性)ということです。妥当性は、その検査が測ろうとしているものを実際に測っているか、結果が実際の関係で感じる気持ちやほかの検査と意味のある形でつながっているかということです。

研究でよく使われる成人の愛着の質問紙は、こうした基準で磨かれてきました。1998年、ブレナンらはそれまでに作られた14の愛着の質問紙から323の設問を集めて1,000人を超える大学生に実施し、回答が不安と回避の二つの軸にまとまることをもとに、軸ごとに18問のECR(親密な対人関係体験尺度)を作りました(Brennan ほか, 1998, Fraley ほか, 2000と中尾・加藤, 2004による)。2000年には同じ設問のまとまりを項目反応理論で分析し直し、軸ごとに18問を選び直したECR-Rが作られました。不安の18問のうち13問、回避の18問のうち7問は、ECRにも入っていた設問です(Fraley ほか, 2000)。

二つの質問紙の内的一貫性の係数は、おおむね.91前後と報告されています(Fraley ほか, 2011a)。ただしECR-Rの作成者は、不安と回避がどちらも低い側、つまり安定の側の端は、不安定の側より精度が低く測られると述べています(Fraley ほか, 2000)。測り直したときの安定性も確かめられています。ECR-Rを3週間の間隔でもう一度測った研究では、測定誤差を取り除いた水準で2回の点数が分散の85%を共有するほど安定していました。また、恋人と一緒にいるときに感じた愛着にかかわる気持ちを日記に記録してもらうと、人による違いの30〜40%をECR-Rの点数で説明でき、家族や友人と一緒のときは5〜15%にとどまりました。恋愛関係での愛着を測るように作られた質問紙であることとも合う結果です(Sibley ほか, 2005, 要旨による)。

翻訳版も同じような検討を経ています。日本語版ECRは36問のうち26問が残り、内的一貫性は回避が.91、不安が.87でしたが、作成者は再検査信頼性を今後確かめる必要があると書いています(中尾・加藤, 2004)。フランス語版ECRでは回避と不安の二つの軸の構造が確かめられ(Lafontaine & Lussier, 2003, 要旨による)、600人に実施したフランス語版ECR-Rは二つの軸の信頼性が十分で、もとの2因子構造がもっともよく当てはまったと報告されています(Favez ほか, 2016, 要旨による)。韓国語版ECR-Rを大学生143人に実施した研究では、内的一貫性は不安が.92、回避が.93で(Lee ほか, 2023)、韓国語版の再検査のデータは今回見つかりませんでした。

mind.ioの愛着スタイル診断は、このどれでもありません。ECRやECR-Rの設問を移したものではなく、同じ不安・回避の2軸の枠組みでmind.ioが独自に書いた28問(軸ごとに14問、うち5問は逆向きに採点)に1〜5で答える独自の検査です。この診断の再検査信頼性や妥当性はまだ調べられていません。そのため上の数値は研究用の質問紙についてのもので、mind.ioの結果がどれだけ正確かを示す数字ではありません。

測り方が違えば結果も変わります

愛着の測り方は一つではありません。初期の研究では、三つのタイプを説明した短い文章のうち、自分にいちばん近いものを一つ選んでもらっていました。この方法で集めた複数のデータを見直したところ、1週間から数か月のあいだに約30%が別のタイプを選び、自分を不安・アンビバレント型として選んでいた人では大半が答えを変えていました。研究者は、これは測定が不正確だからというより、答えるその瞬間に働いている関係のとらえ方(関係スキーマ)が違うからかもしれないと解釈しています(Baldwin & Fehr, 1995, 要旨による)。いま研究でよく使われるECRのような質問紙は、多くの設問の点数をまとめて、二つの軸の上の位置を連続した点数で示します。

どの関係を思い浮かべて答えたかも点数を変えます。同じ9問を、母親、父親、恋人、いちばん親しい友人のそれぞれについて答えてもらった研究では、恋愛中または結婚しているオンラインの回答者21,838人で、母親への回避と恋人への回避の相関は.17にとどまり、もっとも似ていた母親と父親への不安の相関も.41でした。研究者は、親とは安定している人が恋人とは不安定なこともありうるとまとめています(Fraley ほか, 2011a)。日本の研究でも、対象どうしの相関は回避が.22〜.39、不安が.37〜.57でした(古村ほか, 2016)。mind.ioの診断は、いま恋人がいない場合はいちばん最近の恋愛か親しい関係でのふだんの自分を思い浮かべて答えるよう案内していますが、一度目はいまの恋人を、二度目は以前の恋愛を思い浮かべたのなら、点数が違うのは自然なことです。

面接で測る方法もあります。成人愛着面接(AAI)は、子どものころの養育者との経験をどう語るかを聞き、いまの心の状態を分類します。この面接と質問紙を両方使った10の研究(合計961人)をまとめた分析では、面接の安定の分類と質問紙で測った愛着の点数の平均相関は.09で、ごく小さいか小さい水準にとどまりました。面接で不安定型(拒絶型・とらわれ型)に分類された人だけを別に見た一部の研究でも、質問紙の回避の点数と面接の拒絶型の分類(とらわれ型と比べたもの)の相関は.15にとどまりました。研究者は、二つの方法が恋愛関係の少しずつ違う面を予測するとまとめています(Roisman ほか, 2007)。ですから、カウンセリングで受けた面接の結果とオンラインの質問紙の結果が違っても、どちらかが間違っているとは言えません。面接で分類した割合は愛着スタイルの割合のガイドにまとめています。

四つのタイプは「箱」ではなく点数の区間です

愛着の研究者は、人がいくつかのはっきり分かれたグループに分かれるのか、それとも連続した点数の上に広がっているのかを、統計的な方法で検討してきました。生後15か月の赤ちゃん1,139人の行動を観察したデータでも愛着の違いはおおむね連続的で(Fraley & Spieker, 2003, 要旨による)、成人の自己報告の質問紙を分析した研究も、全般的な愛着と、親や仲間のような特定の関係での愛着のどちらも、カテゴリーより次元によく当てはまると報告しています(Fraley ほか, 2015, 要旨による)。40の研究の成人愛着面接のデータ3,218人分をまとめた分析でも、結果は同じ方向でした(Raby ほか, 2022, 要旨による)。

ECR-Rの作成者の一人であるフレイリーは自分のウェブページで、人を愛着のタイプに割り振る「自然な」あるいは「正しい」方法はなく、本当のタイプが別にあるわけでもないと書いています。点数で人をカテゴリーに分けると測定の精度と統計的な検出力が下がるので、研究では人をタイプに分けないよう勧めています。そのうえで、一人の人に点数の意味を説明するときには「比較的安定している」のように名前を付けることが役に立つ場合もあると書き添えています(Fraley, n.d.)。

mind.ioの診断も、不安と回避をそれぞれ0〜100点で計算したあと、二つの点数が50を超えるかどうかで四つの名前を付けます。この50は1〜5段階の回答尺度のちょうど真ん中というだけで、ほかの人の平均や基準値ではありません。そのため、もう一方の点数が同じなら、不安が52の不安型と不安が48の安定型は、名前は違っても不安の程度はほとんど同じです。タイプの名前は位置を短く呼ぶためのもので、より多くの情報は二つの点数そのものにあります。

50付近では、回答がいくつか変わるだけでタイプが入れ替わります

mind.ioの愛着スタイル診断は、軸ごとに14問の平均を0〜100点に換算します。そのため14問すべてに答えた場合、回答を一つ1段階変えるだけでその軸の点数が約1.8点動きます。そして50を超えてはじめてその軸を「高い」とし、50ちょうどは低い側に入れるので、不安が52の人は次に一つの回答を不安が低くなる側へ1段階動かすだけで50になり、タイプの名前が変わることがあります。二つの軸のうち一つが基準線をまたぐだけで、不安型と恐れ・回避型、安定型と回避型のように名前が変わります。

そのため結果画面では、タイプの名前だけでなく二つの点数と2軸の上の位置も一緒に示します。どちらかの軸が45〜55点なら結果のいちばん上に基準線の近くにあるという案内といちばん近い隣のタイプを示し、40〜60点の軸があれば「スコアから見える濃淡」で線の向こう側のタイプもあわせて読めるようにつないでいます。こうした表示は診断が間違っているという意味ではなく、今回の回答でその軸が基準線の近くにあったという情報です。

同じ人でも、答えるその瞬間の状態が点数を揺らします。先に見たようにどの関係を思い浮かべたかが大切で、いまの関係の雰囲気や最近のけんかによっても選ぶ答えが変わりえます。別れや離別のあとには安心感が低く報告されるという研究もあります(Ruvolo ほか, 2001, Fraley ほか, 2011bによる)。愛着を毎日または毎週くり返し測った研究は、こうしたその時々の揺れと長く続く傾向が一緒に表れることを示しました(Fraley ほか, 2011b)。この点は次の項で詳しく見ます。

もう一つあります。mind.ioの愛着スタイル診断は、2026年10月に設問9問を新しい設問に入れ替えました。逆向きに採点されていた設問や、健全に少し距離を置く行動を回避として数えていた設問も、このとき替わりました。保存した結果やスコアのリンクはそのままですが、それ以前の結果といま受け直した結果が違うなら、設問が替わったことも理由の一つかもしれません。

愛着の点数はどれくらい安定していて、いつ変わるのか

数週間のあいだなら、研究用の質問紙の点数はおおむね近く出ます。先に見たようにECR-Rは3週間でとても安定していて(Sibley ほか, 2005, 要旨による)、日本語版ECR-RSを大学生に4〜5週間後にもう一度実施した研究でも、恋人がいる参加者の恋人への回避と不安の再検査相関は.80と.72でした。著者らは、単純な相関は記憶や気分などの一時的な誤差のために高めに出ることがあるとして、それを除いたより厳しい推定値では恋人への回避が.61、不安が.79だったと付け加えています(古村ほか, 2016)。一方、タイプを一つ選ぶ方法では、短い期間でも約30%がタイプを変えていました(Baldwin & Fehr, 1995, 要旨による)。点数は比較的安定していても、基準線の近くの名前は簡単に揺れるということです。

もっと長い期間ではどうでしょうか。アメリカで恋愛中または結婚している203人が30日間毎日、約380人が1年近く毎週、愛着の質問紙に答えました。この研究はふだんの自分ではなく「いまどう感じているか」を基準に答えてもらうもので、恋人への愛着は親への愛着より大きく動き、毎週答えた人たちでは恋人への回避の再検査相関がはじめは高く、20週ほどで約.30に落ち着いて、それ以上は下がりませんでした。研究者は、人にはそれぞれ長く続く中心の値があり、その周りでその時々に揺れていると考え、ある時点の愛着は状態か特性のどちらか一つではなく、状況の影響と長く続く影響が合わさったものだとまとめています。参加者の多くが比較的安定した人たちだったため、安定性が実際より高く出た可能性があることも限界として挙げています(Fraley ほか, 2011b)。

子どものころから大人になるまでの流れを見た研究は、愛着の安定が「中程度」に続くと見ています。乳児期から19歳までを扱ったメタ分析がそう結論づけ(Fraley, 2002, 要旨による)、母親と父親への愛着21,072件を扱った127の論文をまとめたメタ分析も、二つの時点の相関を.39と報告しました。ただし15年を超える間隔では、統計的に有意な安定性は確かめられませんでした(Pinquart ほか, 2013, 要旨による)。大人になってからも、平均すると年齢とともに不安と回避が下がる流れが見られています(Chopik ほか, 2019, 要旨による)。どんな関係の経験が愛着を安定の側へ動かすのかは、安定型愛着に近づく方法にまとめています。

結果が変わったときの読み方

一つ目は、タイプの名前より二つの点数を見ることです。不安と回避がそれぞれ50からどれだけ離れているか、2回の結果でいつも高く出る軸がどちらかを確かめてみてください。2回とも回避は低く、不安だけが50の近くを行き来していたなら、「自分は安定型?不安型?」という迷いが、「自分は距離を置くほうではなく、状況によって不安が高まる人なんだ」という、より正確な説明に変わります。

二つ目は、同じ基準で受け直すことです。今回どの関係を思い浮かべて答えたかを書き留めておき、次も同じ関係を基準に答えると比べやすくなります。いまの恋人を基準にした結果と、親しい関係全般を基準にした結果を別々に出して並べてみるのも一つの方法です。

三つ目は、時間を置いて受け直すことです。結果が気に入らないからとすぐに何度も受け直すと、設問を覚えて望む答えを選びやすくなります。数週間か数か月後、似た状況でもう一度受けてみてください。同じブラウザーに以前の結果が残っていれば、結果画面の「前回と比較」で不安と回避の点数がどれだけ変わったかを見られます。その差は性格が変わったというより、最近の状態や状況、答えた基準の違いかもしれません。

四つ目は、点数を実際の場面で確かめることです。心が大きく揺れた瞬間を短く書き留めておくと、診断の点数より自分のパターンがはっきり見えてきます。記録の仕方は愛着スタイルの結果を一般化しすぎずに読む方法にまとめています。

最後に、結果をこう使うのはやめておきましょう。愛着スタイルは自己理解のための参考であって診断ではなく、恋人の結果をもとに相手を決めつけたり別れを決めたりするためのラベルでもありません。恐れ・回避型が出たからといって、必ずしもトラウマがあるという意味でもありません。その理由は恐れ・回避型の愛着との付き合い方にまとめています。恋人があなたを支配したり脅したりするなら、それは愛着スタイルの問題ではなく安全の問題です。まず信頼できる人や専門機関に助けを求めてください。危険なサインと相談先は、回避型の恋人との話し方の「愛着の問題ではないとき」にまとめています。落ち込みや不安が2週間以上続くなら、うつのセルフチェック(PHQ-9)や不安のセルフチェック(GAD-7)でいまの状態を確かめ、専門家に相談してみてください。これらのチェックも診断ではありません。

愛着スタイル診断の正確さについてよくある質問

Q. 愛着スタイル診断は科学的に信頼できますか? A. 研究で使われるECRやECR-Rのような質問紙は、内的一貫性がおおむね.91前後と報告され(Fraley ほか, 2011a)、3週間後に測り直しても点数は安定していました(Sibley ほか, 2005, 要旨による)。ただし検査ごとに設問と採点の仕方が違い、mind.ioの診断は独自の設問なので、信頼性のデータはまだありません。タイプの名前より、不安と回避の点数を中心に読んでください。

Q. 受けるたびにタイプが違います。どれが本当ですか? A. 二つの点数のどちらかが50の近くなら、二つのタイプの面がどちらも表れることがあります。結果画面の基準線の案内と隣のタイプの説明をあわせて読み、同じ関係を基準に数週間後に受け直してみてください。毎回同じ側に出る軸のほうが、自分の傾向に近いと言えます。

Q. 恋人といるときと友人といるときで、タイプが違う気がします。 A. ありえることです。同じ設問を関係ごとに別々に尋ねた研究では、恋人への点数といちばん親しい友人への点数の相関は、回避が.14、不安が.25にとどまりました(Fraley ほか, 2011a)。どの関係を基準に答えたかを書き留めておくと、結果を比べやすくなります。

Q. カウンセリングで受けた愛着の面接と結果が違いました。 A. 成人愛着面接と質問紙は、違う面を測っています。10の研究をまとめた分析では、面接の安定の分類と質問紙の点数の平均相関は.09でした(Roisman ほか, 2007)。どちらかが間違っているというより、別の角度から見た結果として読んでください。

Q. 愛着スタイルは一生変わりませんか? A. そうではありません。子どものころの愛着の安定は大人になるまで中程度に続き(Fraley, 2002, 要旨による)、大人になってからも、平均すると年齢とともに不安と回避が下がる流れが見られています(Chopik ほか, 2019, 要旨による)。どんな経験が変化を助けるのかは安定型愛着に近づく方法にまとめています。

Q. 恋人に診断を勧めて、タイプを確かめてもいいですか? A. お互いの反応を理解するための会話の材料としてはよいのですが、相手を決めつけたり関係を終える根拠にしたりすると、会話が閉じやすくなります。二人の結果を一緒に読む方法は愛着スタイル別の恋愛の特徴にあります。

Q. MBTIやエニアグラムの結果が変わるのも同じ理由ですか? A. 基準線の近くでは小さな差で名前が変わるという点は同じです。詳しくはMBTI診断の正確さのガイドとエニアグラムの正確さのガイドにまとめています。タイプではなく点数で性格全体を見たいなら、ビッグファイブ診断が向いています。

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