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関係ガイド

安定型愛着に近づく方法:不安定な愛着はどう変わっていくのか

不安型や回避型と出たら、愛着は変わるのか。年齢とともに愛着が変わるという研究、不安が高いとき・回避が高いときに役立つ経験、日々の練習をまとめました。

安定型は生まれつき決まるものではなく、関係の中で近づいていける場所です

愛着スタイル診断で不安型や回避型と出たあと、よく聞かれるのが「どうすれば安定型になれるのか」という質問です。まず安定型とは何かを確認しておきましょう。大人の愛着の研究で安定型とは、見捨てられる心配である不安と、近さが落ち着かない度合いである回避が、どちらも低い位置を指します(Brennan、Clark、Shaver、1998年)。つらいときには頼ることができ、頼っていないときにも関係を信じられる状態に近いものです。

安定型になるというのは、不安や寂しさをまったく感じなくなるという意味ではありません。安定型の人もけんかをし、揺れます。違うのは、揺れたあとに話し合いへ戻り、自分と相手をおおむね信頼できる存在として見直すまでの速さです。ですから目標は「完璧な安定型」という名札ではなく、不安と回避の点数が少しずつ下がり、立ち直りが早くなる方向です。

このガイドでは、愛着が実際にどれくらい変わるのかについての研究、不安が高い人と回避が高い人それぞれに役立つ関係の経験、そして日常で試せる練習を順にまとめました。

愛着は本当に変わるのか:研究が示していること

愛着にはある程度続いていく性質があります。乳児期から19歳までを追跡した研究をまとめて分析した結果、乳児期の愛着の安定がその後まで続く度合いは「中程度」でした(Fraley、2002年)。子ども時代がまったく関係ないわけではありませんが、そのまま固まってしまうわけでもないということです。

大人になってからの変化も観察されています。13歳から72歳までの複数の標本をつなげて分析した研究では、愛着不安は平均すると年齢とともに、特に中年期以降に下がり、回避も生涯を通じて少しずつ下がっていました。恋愛や結婚の関係にある時期には、不安と回避がどちらも低く表れていました(Chopik、Edelstein、Grimm、2019年)。ただしこれは平均的な流れで、関係にあることが原因だとまで示した結果ではありません。

変わり方も人によって違います。高校卒業後の2年間に女性たちを追跡した研究では、愛着スタイルがたびたび揺れ動く人たちがいて、その人たちはそれ以前につらい経験をしていることが多くありました(Davila、Burge、Hammen、1997年)。点数の上下は失敗というより、過去の経験の影響が残っているサインかもしれません。揺れが大きい時期には、一人で耐えるより助けを借りるほうが変化につながりやすいかもしれません。

不安が高いなら:自分を信じられる経験が積み重なるとき

関係が愛着をどう変えるかを整理したあるモデルは、愛着不安は「自分は愛される価値があり、やっていける」という自己のモデルが確かになる状況で最も下がるだろうと提案しています(Arriagaら、2018年)。相手が毎回安心させてくれれば、その場の不安は静まっても、それだけで根っこにある思い込みまで変わるとは限らないということです。

だから不安型の人には、確かめる回数を増やすより、自分の力でやり遂げた経験のほうが助けになるかもしれません。新しいことを学んだり小さな目標を達成したりして、恋人がその挑戦を応援してくれる経験が重なると、「自分は自分で大丈夫」という感覚が育ちます。恋人とは「確かめさせて」より「今週これをやってみるから応援して」のように、自分の成長を分かち合う会話を増やしてみてください。

不安が込み上げる瞬間の扱い方、たとえば確かめたい衝動に気づいて待ってみる方法は、不安型愛着との付き合い方で詳しく紹介しています。

回避が高いなら:頼っても大丈夫だった経験が積み重なるとき

同じモデルは、回避型で高く表れる愛着回避は「頼っても大丈夫」という肯定的な依存を経験し、身近な人を信頼できる存在として見られるようになる状況で最も下がるだろうと提案しています(Arriagaら、2018年)。一人で解決する力を捨てなさいということではありません。小さなことから任せてみて、うまくいった記憶を積み重ねていくことです。

ある実験では、恋人と親密さを深める活動を一緒にしたあと、回避傾向の高い人たちがより多く自分のことを打ち明けるようになり、1か月後には回避の点数も下がっていました(Stanton、Campbell、Pink、2017年)。互いに質問し合う時間を決めたり、一緒に新しいことをしてみたりといった、小さくて前向きな経験が出発点になりえます。

引きたくなる瞬間に気づいて時間をもらう練習は回避型愛着との付き合い方に、二つの気持ちが同時に揺れる恐れ・回避型の練習は恐れ・回避型愛着との付き合い方にまとめています。

誰にでも役立つ日々の練習

安心感は一人の相手からだけ得られるものではありません。恋人だけでなく友人、家族、同僚のように信頼できる関係がいくつもあるほど、一つの関係が揺れても持ちこたえる力が生まれます。今週は、しばらく連絡していなかった信頼できる人に、自分から近況を尋ねてみましょう。

実験室の研究では、自分を大切にしてくれた人を思い浮かべるだけで安心感が一時的に高まり、そのおかげで気分や他者への接し方までよくなる効果が繰り返し観察されています(MikulincerとShaver、2007年)。つらい瞬間に「あの人ならいま私に何と言ってくれるだろう」と思い浮かべるのも、同じ考え方を日常に移した練習です。ただし、こうした効果がどれくらい続くのかは、まだ研究が続いています。

最後に、自分が受け取りたい反応を自分でも練習してみてください。相手がつらい話をしたときに最後まで聞く、約束を守る、けんかのあと自分から戻る。こうした経験は相手に安心感を与えると同時に、自分にとっても「関係は修復できる」という証拠になります。

助けを借りたいとき

子ども時代の話につらい出来事が多くても、その経験をいまは落ち着いて筋道立てて語れる人たちがいます。ある研究では、こうした人たちが「獲得された安定」に分類されました(Pearson、Cohn、Cowan、Cowan、1994年)。そこに至る道は人それぞれですが、信頼できる関係やカウンセリングがその過程を支えることがあります。同じパターンがいくつもの関係で繰り返されるなら、カウンセラーと一緒にその流れを見直すのもよい方法です。

関係の問題を越えて、落ち込んだ気分や不安な気分が2週間以上続くなら、うつのセルフチェック(PHQ-9)や不安のセルフチェック(GAD-7)でいまの状態を確かめ、専門家に相談してみてください。これらのチェックは診断ではなく、相談を始めるための道具です。

もう一つ、安心感を育てる練習は、互いを尊重する関係を前提にしています。恋人に支配されたり、脅されたり、けなされたりしているなら、その関係の中で安心感を探そうとするより先に、信頼できる人や専門の窓口に助けを求めてください。危険なサインと相談先は、回避型の恋人との話し方の「愛着の問題ではないとき」にまとめています。

心がつらすぎて自分を傷つけたい気持ちになったときは、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間)にいつでも連絡できます。

安定型愛着についてよくある質問

Q. 安定型になるにはどれくらいかかる? A. 決まった期間はありません。研究で観察された変化は、1か月後の小さな変化から数十年にわたる流れまでさまざまで、速さも人によって違いました。一度の結果にこだわるより、数か月おきに診断を受け直して、不安と回避の点数がどちらへ動いているかを見るほうが役に立ちます。

Q. 恋愛をすれば安定型になれる? A. 恋愛しているかどうかより、関係の質が大切です。関係にある時期のほうが不安と回避が低いという研究がありますが(Chopik、Edelstein、Grimm、2019年)、恋愛が原因だという意味ではありません。互いを尊重し約束を守る関係は助けになりやすい一方、自分を不安にさせ続ける関係はかえって不安を強めることがあります。

Q. 安定型になれば、不安や寂しさをまったく感じなくなる? A. いいえ。安定型の人も寂しさや不安を感じます。違いは、その気持ちを言葉にするかどうかと、けんかのあと関係に戻るまでの速さにあります。安定型のほかの姿は安定型のページで読めます。

Q. 恋人がいなくても安定型に近づける? A. はい。愛着は恋人だけでなく、友人、家族、カウンセラーのように信頼できる関係全体の中でつくられます。頼っても大丈夫だった経験や自分でやり遂げた経験は、恋愛の外でも十分に積み重ねられます。

参考文献:Brennan, Clark & Shaver (1998), Attachment Theory and Close Relationships(Simpson & Rholes 編); Fraley (2002), Personality and Social Psychology Review 6(2), 123-151, https://doi.org/10.1207/S15327957PSPR0602_03; Chopik, Edelstein & Grimm (2019), Journal of Personality and Social Psychology 116(4), 598-611, https://doi.org/10.1037/pspp0000167; Davila, Burge & Hammen (1997), Journal of Personality and Social Psychology 73(4), 826-838, https://doi.org/10.1037/0022-3514.73.4.826; Arriaga, Kumashiro, Simpson & Overall (2018), Personality and Social Psychology Review 22(1), 71-96, https://doi.org/10.1177/1088868317705257; Stanton, Campbell & Pink (2017), Journal of Personality and Social Psychology 113(4), 568-588, https://doi.org/10.1037/pspi0000098; Mikulincer & Shaver (2007), Psychological Inquiry 18(3), 139-156, https://doi.org/10.1080/10478400701512646; Pearson, Cohn, Cowan & Cowan (1994), Development and Psychopathology 6(2).

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自分を傷つけたい気持ちになったときや、心がつらくてたまらないときは、下の窓口に相談できます。よりそいホットラインは24時間つながります。

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