こころのガイド
回避性パーソナリティ障害:社交不安や回避型愛着との違いと役立つこと
回避性パーソナリティ障害を研究から整理。拒絶が怖くて人を避ける特徴、内気・社交不安症・回避型愛着との違い、経過、効果のある治療まで。
回避性パーソナリティ障害とは:人を求めながら拒絶が怖くて避けるとき
アメリカ心理学会の辞典は、回避性パーソナリティ障害を、拒絶や批判にとても敏感で、批判されずにそのまま受け入れられたいと願い、愛情や承認を求めながらも人から身を引き、自己評価が低い状態が長く続き、苦痛が大きく仕事や人間関係が大きく揺らぐ状態だと説明しています(APA, n.d.)。核心は、人が嫌いだから避けるのではなく、近づきたいのに拒絶されるのが怖くて避けるという点です。アメリカの精神医学の診断基準(DSM-5-TR)は、社会的抑制(人前で自分を出しにくいこと)、自分は不十分だという感覚、否定的な評価への過敏さが遅くとも成人期のはじめまでに始まり、生活のさまざまな場面で長く続くときにこの診断を考えます(Zimmerman, 2023)。この記事では診断基準の一覧は載せません。
韓国の診療記録で使う疾病分類はICD-10の体系にしたがい、「不安性[回避性]パーソナリティ障害(F60.6)」という名前を使っています(WHO, 1992; 韓国健康保険審査評価院, 2026)。一方、世界保健機関の新しい分類であるICD-11には、回避性パーソナリティ障害という名前は別にありません。パーソナリティ障害を一つの診断とし、重症度と目立つ特性領域を付け加える方式で、そのしくみは境界性パーソナリティ障害の記事にまとめました。ICD-11の診断をICD-10に置き換えるときの対応表で、以前の回避性パーソナリティ障害にいちばん近いのは、否定的感情と離隔(detachment)の特性領域を合わせて付けたパーソナリティ障害です(WHO, 2024)。ここでの離隔は愛着でいう距離のとり方ではなく、人との接触や親密さそのものを避けるパーソナリティ特性を指します。イギリスの国民保健サービス(NHS)も、診断のしかたが変わりつつあり、タイプ名の代わりに軽度・中等度・重度のパーソナリティ障害と目立つ特性で診断されることがあると案内しています(NHS, 2024)。
mind.ioには回避性パーソナリティ障害の検査はありません。診断は一つの点数で決まるのではなく、専門家が長い期間にわたる、さまざまな場面でのパターン、苦痛、生活への支障を直接見て行います(Zimmerman, 2023; WHO, 2024)。この記事では、回避性パーソナリティ障害がどんなかたちで表れるのか、内気・社交不安症・回避型愛着と何が違うのか、どれくらい多くどう変わるのか、なぜ生じて続くのか、そして根拠のある治療と相談先をまとめます。ほかの人に診断名をつけるための記事ではありません。
どんなかたちで表れるのか
回避性パーソナリティ障害のある人は、人と交わりたいと思いながらも、自分の気持ちが他人しだいになることを恐れています。緊張して見えるとからかわれることがあり、それが「やっぱり自分はだめだ」という思いの証拠のように感じられて、悪循環に陥ることもあります(Zimmerman, 2023)。研究者は、その中心に「自分は人より劣っている」という感覚と、拒絶されるだろうという予想があると考えています(Lampe & Malhi, 2018)。そのため、一度の拒絶を「自分という人間全体に価値がない」という判定のように受け取りやすくなります(Lampe, 2015)。
日常生活では、たくさんの人とかかわる仕事や恥をかくかもしれない場面を避けたり(McGlashan ほか, 2005)、親しい間柄でも見下されるのが怖くて本音を打ち明けにくかったりするかたちで表れることがあります(American Psychiatric Association, 2024)。回避は人を避けることにとどまらない場合もあります。四つの研究で、回避性パーソナリティの特性は、不快な感情や新しいことを避ける傾向とも、弱〜中程度の関連がありました(Taylor ほか, 2004)。ICD-11も、否定的感情が目立つ人は外からの脅威や批判、困難に過剰に反応し、できるという証拠があっても難しすぎると判断した場面を避けることがあると記しています(WHO, 2024)。
回避性パーソナリティ障害についてのレビューは、人を求めながら恐れる相反する気持ち、自己不信ときびしい自己批判、相手に合わせて自分を低くする傾向のために、「自分が望むこと」をはっきりさせて行動に移すのが難しくなるとまとめています(Weme ほか, 2023)。ただし、こうした様子があるからといって、すぐに障害というわけではありません。ICD-11は、集団主義の文化で育った人の人づきあいのしかたが、個人主義の文化の基準では「回避的」に見えることがあるとして、その社会のふつうの範囲を超えるときにだけパーソナリティ障害と診断するよう求めています(WHO, 2024)。静かで控えめな性格を、すぐに障害と見なせない理由です。
内気・内向性、社交不安症、回避型愛着との違い
内気や内向性は、誰にでもあるふつうのパーソナリティ特性です。内向性は人によって程度の違う幅広い特性で、とても内気な人は社交不安症になる危険が高まることがあります(APA, n.d.)。あるレビューは、内気、社交不安症、回避性パーソナリティ障害が一つの連続体の上にあるという根拠はあるものの、その連続体を形づくる要因は見直す必要があるかもしれないと述べています(Rettew, 2000)。パーソナリティ障害は、苦痛と生活への支障が大きく長く続くときを指します(APA, n.d.)。内向性と繊細さの違いはHSPと内向型の違いにまとめました。
社交不安症とは大きく重なります。アメリカの成人4万3千人あまりに面接した調査では、回避性パーソナリティ障害のある人の40%近くが社交不安症も併せ持っており、両方があると社交不安症だけのときより生活の質が低くなっていました。研究者は、二つはとても近いものの、区別できる可能性のある概念だと結論づけています(Cox ほか, 2009)。地域住民の研究では、回避性パーソナリティ障害のある人の約3分の2は社交不安症の基準に当てはまりませんでした(Lampe & Malhi, 2018)。ノルウェーの女性の双子に10年の間隔で2回面接した研究では、二つの障害の危険要因は強く重なっていましたが(r = .76)完全に同じではなく、回避性パーソナリティ障害のある人のうち社交不安症も併せ持つ割合は、最初の3分の1から10年後には半分に増えていました(Torvik ほか, 2016)。回避性パーソナリティ障害を社交不安症の重いかたちと見る研究者もおり(Reich, 2009)、この議論はまだ決着していません。社交不安そのものへの対処は社交不安症(対人恐怖)の記事にあります。
名前は似ていますが、愛着スタイルの回避型と回避性パーソナリティ障害は別のものです。愛着研究で回避型に近い拒絶型は、親密な関係の大切さを低く見て、ひとりで何とかしようとする傾向を指し(APA, n.d.)、愛着スタイル診断の結果は医学的な診断ではありません。ノルウェーの患者90人を比べた研究では、回避性パーソナリティ障害のある人は社交不安症だけの人より見捨てられることへの愛着不安が高く、近さを求めながら恐れる恐れ型の愛着、このサイトでいう恐れ・回避型がより多く見られました(Eikenaes ほか, 2016)。回避型愛着については回避型愛着との付き合い方で扱っています。
繊細さ(感覚処理感受性)も別の概念です。大学生127人の研究で繊細さの得点は回避性パーソナリティの特性と関連していましたが(Meyer & Carver, 2000)、繊細さは病気ではなく気質です(繊細な人(HSP)の特徴を参照)。親密な関係を望む気持ちそのものが少ないシゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害と違い、回避性パーソナリティ障害のある人は望みながらも拒絶が怖くて身を引き(APA, n.d.; Zimmerman, 2023)、不安になるほど誰かにもっと頼ろうとする依存性パーソナリティ障害と違って、離れるほうを選びます(Lampe & Malhi, 2018)。
どれくらい多く、時間とともにどう変わるのか
どれくらい多いかは、測り方によって大きく変わります。アメリカの全国調査では回避性パーソナリティ障害は成人の2.4%と集計され、女性に多くみられましたが(Grant ほか, 2004)、それぞれの特徴が実際に苦痛や支障を生んでいる場合だけ数えるように分析し直すと1.2%に下がりました(Trull ほか, 2010)。多くの国の地域住民調査をまとめたメタ分析では約2.7%で、強迫性パーソナリティ障害に次いで多いパーソナリティ障害でしたが(Winsper ほか, 2020)、欧米の研究だけをまとめた別のメタ分析では2.8%で、専門家が直接評価した研究だけに絞ると1.2%に下がりました(Volkert ほか, 2018)。1980〜2020年の研究を検討した論文は、地域住民での有病率を0.8〜5%とまとめ、多いにもかかわらず診断も治療も十分にされていないと指摘しています(Reich & Schatzberg, 2021)。
韓国には回避性パーソナリティ障害の人口ベースの推計はありません。2021年の精神健康実態調査には、パーソナリティ障害を測る項目がありませんでした(韓国国立精神健康センター, n.d.)。健康保険の統計で、不安性[回避性]パーソナリティ障害(F60.6)を主な診断として受診した人は2025年に438人で、20代が半分を超えていましたが、これはその診断名で受診した人の数にすぎず、実際にこの状態を抱える人の数ではありません(韓国健康保険審査評価院, 2026)。
時間とともに変わることもあります。治療を求める成人を追跡したアメリカの共同研究では、回避性パーソナリティ障害のあった人の半分は2年後に診断基準に当てはまらなくなっていましたが、よりきびしい基準ではっきり改善したといえる割合は、この研究の四つのパーソナリティ障害で23〜38%と、それよりずっと低くなりました(Grilo ほか, 2004)。いちばん変わりやすかったのは、人と多くかかわる仕事や恥をかきそうな場面を避ける行動で、いちばん残りやすかったのは「自分は不十分だ、人づきあいが下手だ」という感覚でした(McGlashan ほか, 2005)。10年間で特徴の平均的な水準は着実に下がりました(Sanislow ほか, 2009)。ICD-11も、パーソナリティ障害は若い成人期以降は比較的安定しているものの、中年になると診断の要件を満たさなくなることがあると記し、離隔のような特性は比較的減りにくいと付け加えています(WHO, 2024)。
ただの内気な性格として片づけてよい問題でもありません。ノルウェーの住民調査では、回避性パーソナリティ障害のある人は、パーソナリティ障害のなかで生活の質がもっとも幅広く下がっていたグループの一つでした(Cramer ほか, 2006)。アメリカの共同研究では、仕事、人間関係、余暇での困難はほかのパーソナリティ障害の中間程度で(Skodol ほか, 2002)、人間関係の困難は時間がたってもあまり減らない傾向がありました(Skodol ほか, 2005)。ノルウェーのパーソナリティ障害専門外来で診断を受けた410人のうち79.5%は、調査前の6か月間ずっと働けていませんでしたが、治療を求めて来た人たちのデータなので、すべての人に当てはまるわけではありません(Sveen ほか, 2025)。
なぜ生じ、なぜ続くのか
一つの原因というより、いくつかの要因が一緒に働くと考えられています。1980〜2020年の研究をまとめた検討では遺伝率の加重平均は0.55で(Reich & Schatzberg, 2021)、ノルウェーの双子研究では社交不安症と遺伝的な危険要因が大きく重なっていました(Torvik ほか, 2016)。ただし遺伝率は集団のなかの違いを説明する統計にすぎず、一人ひとりの運命を決めるものではありません。同じ研究でも、時点ごとの変化には環境要因がもっとも重要でした(Torvik ほか, 2016)。レビューは、遺伝の影響を受ける、否定的な感情を感じやすく肯定的な感情を感じにくい気質と、ネグレクトや感情表現の乏しい養育の経験が、否定的な自己像、恥を感じやすい傾向、対人関係での過敏さにつながりうると考えています(Lampe, 2016)。
ノルウェーの患者91人を比べた研究では、回避性パーソナリティ障害のある人は社交不安症だけの人より、子どものころのネグレクト、とくに身体的ネグレクトを多く報告しており(Eikenaes ほか, 2015)、48本の研究をまとめたメタ分析でも、子どものころのつらい経験は回避性を含むC群パーソナリティ障害と一貫して関連していました(Crișan ほか, 2023)。ただし多くは大人になってから記憶をたずねる一時点の研究なので、原因と決めつけたり親を責めたりする根拠にはなりません。そうした経験があっても回避性パーソナリティ障害にならない人は大勢います。
回避が続くことには悪循環があります。研究者は、人から身を引く行動を、いま感じている恥や、いまにも訪れそうな恥から逃れる方法の一つとして説明しています(Schoenleber & Berenbaum, 2012)。その場では気持ちが楽になるかもしれませんが、そのぶん恐れている予想が本当に当たるのかを確かめる機会も減ってしまいます。拒絶されないよう感情をぐっと抑えることが、かえって相手によそよそしく映り、拒絶を招くことがあるという解釈もあります(Lampe & Malhi, 2018)。望んでいる関係からさえ身を引きやすいため、孤独感が強まるおそれもありますが、それを直接測った研究はまだ少ないのが現状です(Reinhard ほか, 2022)。孤独感への対処は孤独感の対処法にあります。
韓国の13〜24歳の222人を調べた研究では、ひきこもり傾向がもっとも強いグループが、うつと回避性パーソナリティ障害の尺度得点がもっとも高く、情緒的な支えはもっとも少なくなっていましたが、便宜的な標本による一時点の調査なので、一般化は難しいところです(Lee & Cha, 2026)。家の外に出ること自体が難しくなっているなら、ひきこもりについての説明と相談先はひきこもりとはの記事にまとめました。回避性パーソナリティ障害は、うつや物質使用の問題と一緒に表れることが多く、自殺念慮や自殺企図の危険の高さと関連しうるとされています(Lampe & Malhi, 2018)。自分を傷つけたい気持ちがあるなら、ひとりで抱えず、今すぐよりそいホットライン 0120-279-338(24時間・無料)に連絡してください。いのちの電話 0570-783-556(毎日10:00〜22:00・通話料がかかります)でも話を聞いてもらえます。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
根拠のある治療
回避性パーソナリティ障害だけを取り上げた研究は多くありません。2016年のレビューはこの障害を「研究がおろそかにされてきた障害」と呼びながらも、認知行動療法とスキーマ療法の根拠は有望だとまとめています(Weinbrecht ほか, 2016)。オランダで62人を20週間の認知行動療法、20週間の短期力動的精神療法、待機グループに無作為に分けた試験では、認知行動療法がほかの二つのグループより効果が大きく、短期力動的精神療法は待機グループより優れてはいませんでした。6か月後に診断基準に当てはまったままの人は、認知行動療法のグループで9%、短期力動的精神療法のグループで36%でした。小さな研究一つである点は考えに入れておく必要があります(Emmelkamp ほか, 2006)。10週間の集団治療を試した初期の無作為化研究では、怖い場面に少しずつ近づく段階的エクスポージャーだけでも、治療を受けなかったグループよりはっきり改善し、社会技能訓練を加えても効果は大きくなりませんでした。ただし、治療が終わった時点でも一般的な水準まで回復したわけではありませんでした(Alden, 1989)。
ほかの治療にも根拠があります。回避性を含むC群パーソナリティ障害の患者50人を40回の短期力動的精神療法か認知療法に分けた試験では、二つの治療に差はなく、2年後に症状の面で回復した割合はそれぞれ54%と42%、対人関係とパーソナリティ機能の面ではどちらも40%前後でした(Svartberg ほか, 2004)。オランダの12の機関で、C群をはじめとするさまざまなパーソナリティ障害の患者323人を対象にした試験では、長年の心の枠組み(スキーマ)を扱うスキーマ療法が通常の治療より回復した人の割合が高く、パーソナリティ障害の種類によって結果は変わりませんでした。ただし、この差は面接による評価でだけ見られ、自己記入式の質問紙では見られませんでした(Bamelis ほか, 2014)。社交不安症と回避性パーソナリティ障害を併せ持つ154人を対象にした試験では、集団スキーマ療法と集団認知行動療法がどちらもはっきりした効果を示して差はなく、集団スキーマ療法を最後まで受けた人のほうが多くなっていました(Baljé ほか, 2024)。
複数の研究をまとめると、C群パーソナリティ障害で認知行動療法、力動的精神療法、社会技能訓練によって得られた変化は、治療が終わったあともおおむね保たれており(Simon, 2009)、境界性・C群パーソナリティ障害で力動的精神療法はほかの積極的な治療と効果に差がありませんでした(Keefe ほか, 2020)。どれか一つの治療がいちばんよいといえる根拠はまだありません。薬は回避性パーソナリティ障害そのものに対して試されたものがないため(Lampe & Malhi, 2018)、併せ持つうつや不安を治療するときに医師が判断して使います。回避性パーソナリティ障害だけを対象に試されたアプリやオンラインプログラムも、まだ見つけにくいのが現状です。パーソナリティ障害向けのインターネットプログラムの研究11本をまとめたレビューでも、大半は境界性パーソナリティ障害を扱っていました(van der Boom ほか, 2022)。
治療を始めて続けること自体が難しい場合もあります。回避性パーソナリティ障害のある人は治療を避けることが多く(Zimmerman, 2023)、そのことを前もって知り、治療のなかで一緒に扱うことが大切だとされています(Lampe, 2015)。治療を経験した15人へのインタビュー研究では、治療者との情緒的なつながりと信頼が育つことが、怖いものに少しずつ近づく勇気を出すうえで大切だったと語られています(Sørensen ほか, 2019)。パーソナリティの特性が治療で変わりうるかは性格は変わるのかにまとめました。
自分で試せることと相談先
私たちが調べた範囲では、回避性パーソナリティ障害に合わせてつくられ、試されたセルフヘルプのプログラムは見つかりませんでした。パーソナリティ障害向けのインターネットプログラムの研究をまとめたレビューにも、回避性パーソナリティ障害だけを扱った研究はありませんでした(van der Boom ほか, 2022)。ですから以下は、治療で扱うことをもとにした練習であり、治療の代わりにはなりません。治療では、避けていた場面に小さな段階で近づくこと(Alden, 1989)、批判や拒絶のように感じられる瞬間のつらさに耐える力を育てること、感情を隠すより適切に表してみることが大切になりうるとされています(Lampe & Malhi, 2018)。
1. 避けている場面を易しいものから順に書き出し、いちばん易しいものから試してみましょう。社交不安で使う方法は社交不安症(対人恐怖)の記事にまとめました。2. 拒絶されたと感じたとき、それを「自分という人間全体への判定」として読んでいないか気づいてみましょう(Lampe, 2015)。3. 自分を責める言葉の代わりに、友だちにかけるようなやさしい言葉をかけてみましょう。方法はセルフ・コンパッションの育て方にあります。4. 緊張をお酒で抑えないでください。アメリカの全国調査を分析し直した研究では、回避性パーソナリティ障害のある人が生涯に一度でもアルコール依存を経験した割合は35%ほどで、ない人(12%ほど)より高くなっていました(Trull ほか, 2010)。アルコール依存症の記事もあわせて読んでみてください。
まずは医師や心の専門家に相談してみてください。韓国では精神科や地域の精神保健福祉センターで支援を受けられ、精神保健危機相談電話1577-0199(24時間)に電話すると、近くの精神保健福祉センターにつながります(韓国保健福祉部, 2025)。気分の落ち込みが2週間以上続いているならうつセルフチェック(PHQ-9)で、不安が強いなら不安セルフチェック(GAD-7)で、いまの状態を確かめることができます。どちらも回避性パーソナリティ障害の検査ではありません。
よくある質問
Q. 回避性パーソナリティ障害のテストはありますか? A. mind.ioには回避性パーソナリティ障害の検査はありません。研究や診療では面接の道具や質問紙が使われますが、この記事では項目や基準点は載せません。診断は、専門家が長い期間にわたるパターン、苦痛、生活への支障を直接見て行います(Zimmerman, 2023)。インターネットのチェックリストの結果だけで、自分やほかの人に診断名をつけないでください。
Q. 回避型愛着と同じものですか? A. いいえ。愛着スタイルの回避型は、人間関係で近づいたり離れたりするしかたを説明する言葉で、診断ではありません。回避性パーソナリティ障害のある患者は、社交不安症だけの患者よりむしろ見捨てられることへの不安が高く、近さを求めながら恐れる恐れ・回避型の愛着もより多く見られました(Eikenaes ほか, 2016)。愛着スタイル診断で回避型が出たからといって、回避性パーソナリティ障害というわけではありません。
Q. 社交不安症(対人恐怖)とは何が違いますか? A. 大きく重なりますが、同じではありません。回避性パーソナリティ障害の中心には「自分は人より劣っている」という感覚と拒絶されるだろうという予想があり、地域住民では、回避性パーソナリティ障害のある人の約3分の2は社交不安症の基準に当てはまりませんでした(Lampe & Malhi, 2018)。両方があると、社交不安症だけのときより生活の質が低くなっていました(Cox ほか, 2009)。
Q. 治りますか? A. 大きく変わりうるものです。治療を求める人を追跡した研究では、半分が2年後に診断基準に当てはまらなくなっており(Grilo ほか, 2004)、無作為化試験でも認知行動療法とスキーマ療法が効果を示しました(Emmelkamp ほか, 2006; Bamelis ほか, 2014)。ただし「自分は不十分だ」という感覚は避ける行動より長く残りやすいため(McGlashan ほか, 2005)、治療では社会的抑制だけでなく、不十分だという感覚や否定的な評価への過敏さも扱う必要があるとされています(Weinbrecht ほか, 2016)。
Q. 薬を飲む必要がありますか? A. 回避性パーソナリティ障害そのものに対して試された薬はありません(Lampe & Malhi, 2018)。併せ持つうつや不安が重いなら、医師と相談して治療を受けることができます。パーソナリティ障害の治療の中心は対話による治療です(NHS, 2024)。
Q. 内向的なのですが、回避性パーソナリティ障害でしょうか? A. 内向性は人によって程度の違う、ふつうのパーソナリティ特性です(APA, n.d.)。ひとりの時間が心地よく、たくさんの人に会わなくても平気なら、それだけで障害ではありません。回避性パーソナリティ障害は、人を求めながら拒絶が怖くて避け、そのための苦痛と生活への支障が長く続くときを指します(APA, n.d.)。自分の傾向はHSPと内向型の違いで確かめられます。
Q. 恋人や家族が回避性パーソナリティ障害のように思えます。 A. 診断は専門家の役目で、この記事はほかの人に診断名をつけるためのものではありません。回避性パーソナリティ障害のある人は拒絶や批判に敏感で(APA, n.d.)、治療を避けることが多いため(Zimmerman, 2023)、せかすより、批判せずに話を聞くことが先かもしれません。距離をとる恋人との話し方は回避型の恋人との話し方にあります。
Q. 人を避けているうちにとても孤独になり、消えてしまいたいです。 A. ひとりで抱えないでください。今すぐよりそいホットライン 0120-279-338(24時間・無料)に連絡してください。いのちの電話 0570-783-556(毎日10:00〜22:00・通話料がかかります)でも話を聞いてもらえます。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。いまの孤独が、あなたという人の価値を表しているわけではありません。
参考文献:American Psychological Association (n.d.), APA Dictionary of Psychology: avoidant personality disorder, schizoid personality disorder, introversion, shyness, dismissive attachment, fearful attachment, accessed 25 October 2026, https://dictionary.apa.org/avoidant-personality-disorder; American Psychiatric Association (2024), What are personality disorders?, physician review by Mark Zimmerman, November 2024, https://www.psychiatry.org/patients-families/personality-disorders/what-are-personality-disorders; Zimmerman, M. (2023), Avoidant personality disorder (AVPD), MSD Manual Professional Version, last updated January 2026, https://www.msdmanuals.com/professional/psychiatric-disorders/personality-disorders/avoidant-personality-disorder-avpd; World Health Organization (2024), Clinical descriptions and diagnostic requirements for ICD-11 mental, behavioural and neurodevelopmental disorders, Geneva, https://iris.who.int/handle/10665/375767; World Health Organization (1992), The ICD-10 classification of mental and behavioural disorders: clinical descriptions and diagnostic guidelines, Geneva, https://iris.who.int/handle/10665/37958; Health Insurance Review and Assessment Service (2026), Disease statistics: F60.6 anxious [avoidant] personality disorder, 2010-2025 [in Korean], https://opendata.hira.or.kr; NHS (2024), Personality disorders, page last reviewed 4 January 2024, https://www.nhs.uk/mental-health/conditions/personality-disorder/; Lampe, L., & Malhi, G. S. (2018), Avoidant personality disorder: current insights, Psychology Research and Behavior Management 11, 55-66, https://doi.org/10.2147/PRBM.S121073; Lampe, L. (2015), Social anxiety disorders in clinical practice: Differentiating social phobia from avoidant personality disorder, Australasian Psychiatry 23(4), 343-346, https://doi.org/10.1177/1039856215592319; McGlashan, T. H., Grilo, C. M., Sanislow, C. A., Ralevski, E., Morey, L. C., Gunderson, J. G., Skodol, A. E., Shea, M. T., Zanarini, M. C., Bender, D., Stout, R. L., Yen, S., & Pagano, M. (2005), Two-year prevalence and stability of individual DSM-IV criteria for schizotypal, borderline, avoidant, and obsessive-compulsive personality disorders: toward a hybrid model of axis II disorders, American Journal of Psychiatry 162(5), 883-889, https://doi.org/10.1176/appi.ajp.162.5.883; Taylor, C. T., Laposa, J. M., & Alden, L. E. (2004), Is avoidant personality disorder more than just social avoidance?, Journal of Personality Disorders 18(6), 571-594, https://doi.org/10.1521/pedi.18.6.571.54792; Weme, A. V., Sørensen, K. D., & Binder, P. E. (2023), Agency in avoidant personality disorder: a narrative review, Frontiers in Psychology 14, 1248617, https://doi.org/10.3389/fpsyg.2023.1248617; Rettew, D. C. (2000), Avoidant personality disorder, generalized social phobia, and shyness: putting the personality back into personality disorders, Harvard Review of Psychiatry 8(6), 283-297, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11133823/; Cox, B. J., Pagura, J., Stein, M. B., & Sareen, J. (2009), The relationship between generalized social phobia and avoidant personality disorder in a national mental health survey, Depression and Anxiety 26(4), 354-362, https://doi.org/10.1002/da.20475; Torvik, F. A., Welander-Vatn, A., Ystrom, E., Knudsen, G. P., Czajkowski, N., Kendler, K. S., & Reichborn-Kjennerud, T. (2016), Longitudinal associations between social anxiety disorder and avoidant personality disorder: a twin study, Journal of Abnormal Psychology 125(1), 114-124, https://doi.org/10.1037/abn0000124; Reich, J. (2009), Avoidant personality disorder and its relationship to social phobia, Current Psychiatry Reports 11(1), 89-93, https://doi.org/10.1007/s11920-009-0014-0; Eikenaes, I., Pedersen, G., & Wilberg, T. (2016), Attachment styles in patients with avoidant personality disorder compared with social phobia, Psychology and Psychotherapy 89(3), 245-260, https://doi.org/10.1111/papt.12075; Meyer, B., & Carver, C. S. (2000), Negative childhood accounts, sensitivity, and pessimism: a study of avoidant personality disorder features in college students, Journal of Personality Disorders 14(3), 233-248, https://doi.org/10.1521/pedi.2000.14.3.233; Grant, B. F., Hasin, D. S., Stinson, F. S., Dawson, D. A., Chou, S. P., Ruan, W. J., & Pickering, R. P. (2004), Prevalence, correlates, and disability of personality disorders in the United States: results from the National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions, Journal of Clinical Psychiatry 65(7), 948-958, https://doi.org/10.4088/jcp.v65n0711; Trull, T. J., Jahng, S., Tomko, R. L., Wood, P. K., & Sher, K. J. (2010), Revised NESARC personality disorder diagnoses: gender, prevalence, and comorbidity with substance dependence disorders, Journal of Personality Disorders 24(4), 412-426, https://doi.org/10.1521/pedi.2010.24.4.412; Winsper, C., Bilgin, A., Thompson, A., Marwaha, S., Chanen, A. M., Singh, S. P., Wang, A., & Furtado, V. (2020), The prevalence of personality disorders in the community: a global systematic review and meta-analysis, British Journal of Psychiatry 216(2), 69-78, https://doi.org/10.1192/bjp.2019.166; Volkert, J., Gablonski, T.-C., & Rabung, S. (2018), Prevalence of personality disorders in the general adult population in Western countries: systematic review and meta-analysis, British Journal of Psychiatry 213(6), 709-715, https://doi.org/10.1192/bjp.2018.202; Reich, J., & Schatzberg, A. (2021), Prevalence, factor structure, and heritability of avoidant personality disorder, Journal of Nervous and Mental Disease 209(10), 764-772, https://doi.org/10.1097/NMD.0000000000001378; National Center for Mental Health (n.d.), National Mental Health Survey of Korea (adults): 2021 survey overview and items [in Korean], Mental Health Research Institute, https://mhs.ncmh.go.kr/menu.es?mid=a10206000000; Grilo, C. M., Sanislow, C. A., Gunderson, J. G., Pagano, M. E., Yen, S., Zanarini, M. C., Shea, M. T., Skodol, A. E., Stout, R. L., Morey, L. C., & McGlashan, T. H. (2004), Two-year stability and change of schizotypal, borderline, avoidant, and obsessive-compulsive personality disorders, Journal of Consulting and Clinical Psychology 72(5), 767-775, https://doi.org/10.1037/0022-006X.72.5.767; Sanislow, C. A., Little, T. D., Ansell, E. B., Grilo, C. M., Daversa, M., Markowitz, J. C., Pinto, A., Shea, M. T., Yen, S., Skodol, A. E., Morey, L. C., Gunderson, J. G., Zanarini, M. C., & McGlashan, T. H. (2009), Ten-year stability and latent structure of the DSM-IV schizotypal, borderline, avoidant, and obsessive-compulsive personality disorders, Journal of Abnormal Psychology 118(3), 507-519, https://doi.org/10.1037/a0016478; Cramer, V., Torgersen, S., & Kringlen, E. (2006), Personality disorders and quality of life. A population study, Comprehensive Psychiatry 47(3), 178-184, https://doi.org/10.1016/j.comppsych.2005.06.002; Skodol, A. E., Gunderson, J. G., McGlashan, T. H., Dyck, I. R., Stout, R. L., Bender, D. S., Grilo, C. M., Shea, M. T., Zanarini, M. C., Morey, L. C., Sanislow, C. A., & Oldham, J. M. (2002), Functional impairment in patients with schizotypal, borderline, avoidant, or obsessive-compulsive personality disorder, American Journal of Psychiatry 159(2), 276-283, https://doi.org/10.1176/appi.ajp.159.2.276; Skodol, A. E., Pagano, M. E., Bender, D. S., et al. (2005), Stability of functional impairment in patients with schizotypal, borderline, avoidant, or obsessive-compulsive personality disorder over two years, Psychological Medicine 35(3), 443-451, https://doi.org/10.1017/s003329170400354x; Sveen, C. A., Pedersen, G., Wilberg, T., & Kvarstein, E. H. (2025), The societal costs of avoidant personality disorder, Personality and Mental Health 19(1), e1644, https://doi.org/10.1002/pmh.1644; Lampe, L. (2016), Avoidant personality disorder as a social anxiety phenotype: risk factors, associations and treatment, Current Opinion in Psychiatry 29(1), 64-69, https://doi.org/10.1097/YCO.0000000000000211; Eikenaes, I., Egeland, J., Hummelen, B., & Wilberg, T. (2015), Avoidant personality disorder versus social phobia: the significance of childhood neglect, PLoS One 10(3), e0122846, https://doi.org/10.1371/journal.pone.0122846; Crișan, Ş., Stoia, M., Predescu, E., Miu, A. C., & Szentágotai-Tătar, A. (2023), The association between adverse childhood events and cluster C personality disorders: a meta-analysis, Clinical Psychology & Psychotherapy 30(6), 1193-1214, https://doi.org/10.1002/cpp.2856; Schoenleber, M., & Berenbaum, H. (2012), Shame regulation in personality pathology, Journal of Abnormal Psychology 121(2), 433-446, https://doi.org/10.1037/a0025281; Reinhard, M. A., Nenov-Matt, T., & Padberg, F. (2022), Loneliness in personality disorders, Current Psychiatry Reports 24(11), 603-612, https://doi.org/10.1007/s11920-022-01368-7; Lee, J., & Cha, J.-H. (2026), Latent profiles of adolescents’ reclusive traits: differences in depression, avoidant personality disorder, and emotional support [in Korean], Studies on Korean Youth 37(1), 63-81, https://doi.org/10.14816/sky.2026.37.1.63; Weinbrecht, A., Schulze, L., Boettcher, J., & Renneberg, B. (2016), Avoidant personality disorder: a current review, Current Psychiatry Reports 18(3), 29, https://doi.org/10.1007/s11920-016-0665-6; Emmelkamp, P. M., Benner, A., Kuipers, A., Feiertag, G. A., Koster, H. C., & van Apeldoorn, F. J. (2006), Comparison of brief dynamic and cognitive-behavioural therapies in avoidant personality disorder, British Journal of Psychiatry 189, 60-64, https://doi.org/10.1192/bjp.bp.105.012153; Alden, L. (1989), Short-term structured treatment for avoidant personality disorder, Journal of Consulting and Clinical Psychology 57(6), 756-764, https://doi.org/10.1037/0022-006X.57.6.756; Svartberg, M., Stiles, T. C., & Seltzer, M. H. (2004), Randomized, controlled trial of the effectiveness of short-term dynamic psychotherapy and cognitive therapy for cluster C personality disorders, American Journal of Psychiatry 161(5), 810-817, https://doi.org/10.1176/appi.ajp.161.5.810; Bamelis, L. L., Evers, S. M., Spinhoven, P., & Arntz, A. (2014), Results of a multicenter randomized controlled trial of the clinical effectiveness of schema therapy for personality disorders, American Journal of Psychiatry 171(3), 305-322, https://doi.org/10.1176/appi.ajp.2013.12040518; Baljé, A. E., Greeven, A., Deen, M., van Giezen, A. E., Arntz, A., & Spinhoven, P. (2024), Group schema therapy versus group cognitive behavioral therapy for patients with social anxiety disorder and comorbid avoidant personality disorder: a randomized controlled trial, Journal of Anxiety Disorders 104, 102860, https://doi.org/10.1016/j.janxdis.2024.102860; Simon, W. (2009), Follow-up psychotherapy outcome of patients with dependent, avoidant and obsessive-compulsive personality disorders: a meta-analytic review, International Journal of Psychiatry in Clinical Practice 13(2), 153-165, https://doi.org/10.1080/13651500802570972; Keefe, J. R., McMain, S. F., McCarthy, K. S., Zilcha-Mano, S., Dinger, U., Sahin, Z., Graham, K., & Barber, J. P. (2020), A meta-analysis of psychodynamic treatments for borderline and cluster C personality disorders, Personality Disorders 11(3), 157-169, https://doi.org/10.1037/per0000382; van der Boom, B., Boumparis, N., Donker, T., de Beurs, D., Arntz, A., & Riper, H. (2022), Internet-delivered interventions for personality disorders: a scoping review, Internet Interventions 28, 100525, https://doi.org/10.1016/j.invent.2022.100525; Sørensen, K. D., Wilberg, T., Berthelsen, E., & Råbu, M. (2019), Lived experience of treatment for avoidant personality disorder: searching for courage to be, Frontiers in Psychology 10, 2879, https://doi.org/10.3389/fpsyg.2019.02879; Ministry of Health and Welfare (2025), Community mental health welfare centres and the mental health crisis line [in Korean], https://www.mohw.go.kr/menu.es?mid=a10706040100
ひとりで抱えなくて大丈夫です
自分を傷つけたい気持ちになったときや、心がつらくてたまらないときは、下の窓口に相談できます。よりそいホットラインは24時間つながります。
- よりそいホットライン 0120-279-338 24時間・無料
- いのちの電話(ナビダイヤル) 0570-783-556 毎日10:00〜22:00・通話料がかかります
- いのちの電話(フリーダイヤル) 0120-783-556 毎日16:00〜21:00・無料
今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
この記事が役立ちそうな人に、リンクを送れます。