データガイド
不安のセルフチェック(GAD-7)はどこまで正確? 10点の意味と点数が変わる理由
不安のセルフチェック(GAD-7)の点数はどこまで信頼できる?10点の目安がどのくらい正確か、10点以上でも不安症とは限らない理由、点数が変わるわけと結果の読み方をまとめました。
不安のセルフチェックの点数は信じていい?
不安のセルフチェックで11点が出て「中程度の不安症状」という結果とともに専門家に相談するようすすめられると、「自分は不安症なのだろうか」という心配がまず浮かぶかもしれません。2週間後にもう一度したら8点の「軽い不安症状」だった、ほかで受けた不安の検査と数字が違った、という経験もよくあります。そうなると、この点数をどこまで信じてよいのか気になります。
結論から言うと、GAD-7はよく研究されたスクリーニングの道具です。研究をまとめたコクランの研究者がもっともよく使われる不安のスクリーニングの道具の一つとして紹介するほどで、このレビューで全般不安症を調べた35研究をまとめると、10点の目安は診断面接で確かめた全般不安症のある人の64%を見つけ、ない人の91%を除外しました(Aktürk ほか, 2025)。最初の開発研究で出た89%より見つける割合は低く、一つの研究の数字と多くの研究の平均は違うことがあります(Spitzer ほか, 2006)。そしてスクリーニングは診断ではありません。全般不安症が12%の1,000人を想定して研究者が例として示した計算では、10点以上の人のうち実際に全般不安症なのは半分ほどになり(Aktürk ほか, 2025)、質問はこの2週間をたずねるので、点数は受けるたびに動くのが自然です。
このガイドでは、スクリーニング検査の正確さをどう判断するか、研究をまとめたとき10点の目安がどんな成績だったか、10点以上でも不安症とは限らない理由と低い点数が見逃す場合、もう一度すると点数が動く理由、GAD-7が見落としやすい不安、結果の読み方と使い方を順にまとめます。mind.ioの不安のセルフチェック(GAD-7)の点数がほかの人と比べてどのあたりかはGAD-7の平均点で、不安が実際にどのように表れるかは不安の症状で別に扱っています。
スクリーニングの正確さは感度と特異度で見ます
GAD-7のようなスクリーニング検査は、病気があるかどうかを確定する診断検査ではなく、もっとよく見る必要がある人を選び出す最初の段階です。そのため正確さも診断面接と比べて判断します。感度は、面接で全般不安症と確かめられた人のうち目安以上の点数が出た人の割合、特異度は、全般不安症でない人のうち目安より低い点数が出た人の割合です。比べる基準になるのは、MINIやSCIDのような構造化・半構造化の診断面接です。全般不安症と診断されるには、過剰な不安と心配が6か月以上ほとんどの日に続き、心配をコントロールしにくく、落ち着かなさ、疲れやすさ、集中しにくさ、いらいら、筋肉の緊張、睡眠の問題のうち三つ以上がそろう必要があります(Aktürk ほか, 2025)。
GAD-7は米国のプライマリケア診療所15か所で最初に検証されました。質問票に答えた患者2,740人のうち、面接に同意した人から無作為に選んだ965人に精神保健の専門家が1週間以内に電話で面接し、そのうち全般不安症は73人でした。この面接と比べると、10点以上の感度は89%、特異度は82%でした。7つの質問は、最初の候補13問のうち合計点ともっとも関係の深いものが選ばれ、質問どうしがどれだけそろって動くかを見る内的一貫性は.92でした(Spitzer ほか, 2006)。
開発した研究者は、5点、10点、15点をそれぞれ軽い、中程度、重い不安と読めるとし、10点を全般不安症を見分ける妥当な目安として示しました。目安を15点に上げると特異度は95%に上がりましたが、感度は48%に下がりました。面接で全般不安症と確かめられた人の平均は14.4点、そうでない人は4.9点でした(Spitzer ほか, 2006)。区切りを越えたかどうかより、点数がどのあたりにあるかのほうが多くを教えてくれます。
mind.ioの不安のセルフチェック(GAD-7)は、このGAD-7の7つの質問をそのまま使っています。韓国語はファイザーが配布している公式の韓国語版、フランス語は公式のフランス語版に沿い、英語は原文どおりです。日本語の質問は原文の意味に沿った訳です。公式の書式を配布しているサイトに日本語版がないため、公式の翻訳としては紹介していません。各質問に0〜3点で答えて合計した0〜21点を同じ4つの区分で読み、10点以上なら専門家に相談することをすすめます。ただし、mind.ioがオンラインのチェックとしての正確さを独自に調べたことはありません。このガイドの数字はすべて、医療機関や地域で行われたGAD-7の研究から来ています。
研究をまとめると:10点の目安は64%と91%
開発研究で面接によって確かめた全般不安症は73人でした。その後、多くの国の研究をまとめたコクランのレビューは、2024年1月までの検索で見つかった48研究、19,228人のデータを整理しました。27か国、24言語のGAD-7が含まれ、精神保健の受診を求めて来た人や症状のために集められた人の研究は除かれています。全般不安症を調べた35研究(15,274人)では、10点の目安(その結果がなければ8〜9点)の感度は64%、特異度は91%でした。不安症全体に広げると、22研究(10,245人)で感度48%、特異度91%でした(Aktürk ほか, 2025)。
ただし、個々の研究の感度は9%から91%まで大きく違い、研究者はこれらの数字をおおまかな平均として読むべきで、特定の状況では大きく違うことがあると強調しています。全般不安症の多い標本ほど感度が高く、面接の種類や研究の質による差は統計的に有意ではありませんでした。医療の場以外(一般の人々、移住労働者、学生、高齢者など)で行われた5研究(3,458人)だけを見ると感度50%、特異度93%でしたが、こうした場による差も統計的に有意ではありませんでした(Aktürk ほか, 2025)。12の標本(5,223人)をまとめた以前のメタ分析で、全般不安症を調べた11の標本を合わせると、8点の目安で感度83%、特異度84%で、7〜10点も似た結果でした(Plummer ほか, 2016, 要旨による)。コクランのレビューはその4倍の研究を含んでいます(Aktürk ほか, 2025)。
目安を何点に置くかはトレードオフです。同じレビューが目安ごとに別々にまとめた分析では、7点で感度84%・特異度78%、8点で75%・85%、10点で62%・90%、15点で25%・97%でした(目安ごとの分析なので、上の64%・91%とは少し違います)。両方を合わせた正確さは7点でもっとも高かったものの、別の分析モデルによる7点の感度80%・特異度78%を使い、全般不安症が12%と仮定した研究者の計算では、7点を使うと1,000人のうち290人が陽性となり、そのうち実際に全般不安症なのは33%にとどまる結果でした。研究者は、より低い「最適な」目安に変えても、誤って分類される人が多いという問題は解決しにくいと見ています(Aktürk ほか, 2025)。
一つの国で行われた研究もあります。韓国では、オンライン広告と病院からの紹介で集めた成人1,157人がGAD-7に答え、MINIの診断面接を対面で受けたところ、全般不安症は90人(7.7%)でした。この研究はmind.ioと同じファイザー配布の韓国語版を使い、10点の目安の感度は72.2%、特異度は89.3%で、両方のバランスがもっともよい目安は8点(感度81.1%、特異度84.5%)でした(Ahn ほか, 2019)。精神科外来の患者112人を調べた韓国の研究では、点数の信頼性はよかったものの、不安症を見分ける正確さは低いという結果でした(Lee ほか, 2022, 要旨による)。日本語版(J-GAD-7)をプライマリケアなどで検証した報告もありますが、全般不安症の人がとくに多い標本で、全般不安症の人数が要旨と表で食い違っているため、慎重に読む必要があります(Muramatsu ほか, 2025)。mind.ioの日本語の質問がこの版と同じ文言かどうかは確かめられていません。フランスでは、マルセイユのてんかん専門外来の患者145人(MINIで全般不安症49人)で、もっともバランスのよい目安は7点でした(Micoulaud-Franchi ほか, 2016, 要旨による)。
このように、目安はだれを、どの面接と比べるかによって変わります。mind.ioは四つの言語すべてで、開発研究が示し、コクランのレビューが主な分析の基準にした10点を目安にしています。目安を下げれば全般不安症の人をより多く見つけますが、そうでない人もより多く陽性になり、上げればその逆です。8点や9点のように目安のすぐ下の点数も、軽く流さないほうがよいでしょう。最初の2問だけを使う短い版(GAD-2、3点の目安)も、GAD-7と正確さに統計的に有意な差はありませんでしたが(Aktürk ほか, 2025)、mind.ioが示すのは7問の合計点だけです。
10点以上でも不安症とは限らない理由
感度64%、特異度91%だからといって、10点以上の人の91%が全般不安症という意味ではありません。10点以上の人のうち実際に全般不安症である人の割合(陽性的中率)は、検査を受ける人の中で全般不安症がどのくらい多いかによって大きく変わります。全般不安症が少ないほど、全般不安症でないのに10点を超える人が相対的に多くなるからです。
実際の数字で見てみましょう。開発研究では、プライマリケアの患者の23%が10点以上で、面接した965人(全般不安症73人)のうち10点以上の人で実際に全般不安症だったのは29%でした(Spitzer ほか, 2006)。コクランの研究者が例として示した計算では、全般不安症が12%の1,000人が検査を受けると156人が10点以上になり、そのうち実際に全般不安症なのは77人(49%)、そうでない人は79人と計算されました。プライマリケアの患者を想定した計算(全般不安症8%)では、この割合は42%でした(Aktürk ほか, 2025)。韓国の研究(全般不安症7.7%)では36.3%でした(Ahn ほか, 2019)。韓国とドイツの成人のGAD-7の点数分布はGAD-7の平均点にまとめています。
だからといって、10点以上で全般不安症でなければ何の問題もないという意味ではありません。韓国の研究では、全般不安症はなく大うつ病があった56人のGAD-7の平均は10.13点、全般不安症以外の不安症があった人は6.66点、精神疾患がなかった人は2.34点でした(Ahn ほか, 2019)。開発研究と同じ965人のデータで、GAD-7がパニック症、社交不安症、心的外傷後ストレス障害を見分けるのにも役立ったと報告した研究もあり(Kroenke ほか, 2007, 要旨による)、特定の病気で受診している人では感度が高く特異度が低い傾向がありました(Aktürk ほか, 2025)。うつや別の不安、体の病気でも点数は上がりえます。だから10点以上なら、不安症かどうかにかかわらず、今の状態を専門家に相談してみる価値のあるサインと受け止めるのがよいでしょう。
反対方向の誤差もあります。感度64%をそのまま当てはめると、全般不安症のある人100人のうち36人ほどは10点未満になります。不安症全体では感度が48%なので、半分以上が10点未満になりえます(Aktürk ほか, 2025)。点数が低くても、心配や緊張が2週間以上続いたり、暮らしがつらかったりするなら、数字よりその感覚を信じて助けを求めてかまいません。
こうした誤差があるため、スクリーニングへの考え方も分かれています。2025年のコクランのレビューによると、米国予防医療専門委員会(USPSTF)は2023年に64歳以下の成人に不安のスクリーニングをすすめましたが、研究者の知るかぎりほかの国に同様の推奨はなく、スクリーニングが結果をよくするという根拠も不十分でした。研究者は、医療の場の外や、受診した人全員を対象に、固定した目安だけでスクリーニングするやり方が効率的かどうかに疑問を示しています(Aktürk ほか, 2025)。一人でするセルフチェックは判定ではなく、だれかと話し始めるきっかけとして使うのが向いています。
点数が動く理由:2週間、1点、4点
GAD-7のすべての質問は、「この2週間」にその問題にどのくらい頻繁に悩まされたかをたずねます。一方、全般不安症の診断は6か月以上続く症状を基準にしており、開発した研究者もこの違いを指摘しています(Spitzer ほか, 2006)。試験や転職のように緊張する出来事が重なった2週間には点数が一時的に高く出ることがあり、長く続く心配も、この2週間が少し楽だったなら低く出ることがあります。状況が変われば点数が変わるのは自然なことです。
短い間隔でもう一度測ると、点数はかなり近くなります。開発研究では、1週間以内に同じ質問票にもう一度答えた236人の二つの点数は級内相関0.83でよく一致し、自分で答えた点数と面接者が同じ質問をたずねてつけた点数の一致も0.83でした(Spitzer ほか, 2006)。一つは同じ質問票に二回答えた場合、もう一つは答え方の違う二つの測定を比べた場合です。それでも1〜2点の差は、その日の調子でも生じえます。
では、何点変われば意味のある変化なのでしょうか。慢性うつ病の治療研究に参加した261人のデータで計算した研究は、GAD-7で4点を臨床的に意味のある最小の変化と推定しました。不安の治療を受ける人で確かめ直す必要があることは研究者も述べています(Toussaint ほか, 2020, 要旨による)。一度の1〜3点の差より、何回かを通してどちらに動いているかのほうが多くを教えてくれます。
mind.ioでは、区切りの位置も点数が大きく変わったように見せることがあります。7つの質問のうち一つの答えが一段変わるだけで合計は1点変わりますが、区分は4点と5点、9点と10点、14点と15点の間で分かれます。そのため9点の「軽い不安症状」と10点の「中程度の不安症状」は答え一つの差で、10点からは専門家への相談をすすめる案内も出ます。結果の画面は点数が区切りの近くだという案内を特に出さないので、区分の名前より点数そのものを見てください。同じブラウザに前回の結果があれば、結果の画面が何点変わったかを示し、点数はこの2週間の状態を反映して自然に上下すると案内します。2週間後にもう一度チェックするためのカレンダーのリマインダーも作れます。
GAD-7が見落としやすい不安
GAD-7は全般不安症を見つけるために作られた尺度で、開発した研究者も一つの不安症に焦点を絞った点を限界に挙げています(Spitzer ほか, 2006)。研究をまとめると、不安症全体を見つける感度は48%で全般不安症より低く(Aktürk ほか, 2025)、韓国の研究者は不安症全般(全般不安症を含む)のスクリーニングにGAD-7を使うことには注意が必要だと結論づけました(Ahn ほか, 2019)。特定の場面だけで起こる恐れや、突然やってくるパニックは点数に表れにくいことがあるので、パニック発作、社交不安、恐怖症、強迫症、心気症(健康不安)のガイドもあわせて見てください。mind.ioには、こうした不安を別に測る検査はありません。
うつとも大きく重なります。韓国の研究では、GAD-7の点数は心配を測る尺度(.72)より、うつを測る二つの尺度(.80、.83)と強く結びついていました(Ahn ほか, 2019)。開発した研究者は、不安とうつの症状はよく一緒に現れるものの、別の次元だと見ています(Spitzer ほか, 2006)。気分が沈んだり興味がわかなくなったりしているなら、うつのセルフチェック(PHQ-9)もあわせて受けてみてください。これも診断ではありません。その点数の読み方はうつ病セルフチェックの正確さにまとめています。
体と年齢もあわせて見ましょう。不安の症状は体の病気の症状とも重なります(Aktürk ほか, 2025)。新しく出た胸の痛み、息苦しさ、失神は、不安のせいだと片づけずにまず診察を受けてください。急に強く出たときは、すぐに119に連絡してください。コクランのレビューに含まれた研究のうち、参加者の平均年齢が65歳以上だったのは4研究だけで(Aktürk ほか, 2025)、ドイツで自宅に暮らす58〜82歳の438人を調べた研究は、高齢者には5点のようなより低い目安が合うかもしれないとしています(Wild ほか, 2014, 要旨による)。コクランのレビューは18歳以上だけを含んでいるので、10代の人は保護者や学校の相談室、専門家と一緒に結果を読むほうがよいでしょう。
GAD-7には自傷についての質問がありません。点数にかかわらず、自分を傷つけたいという気持ちがあるなら、一人で抱えずにすぐに「よりそいホットライン」(0120-279-338、24時間・無料)に連絡してください。
結果の読み方と使い方
まず、区分の名前より、点数と目安までの距離を見てください。9点と10点は名前も案内も違いますが、答え一つの差です。韓国の研究では8点がもっともバランスのよい目安だったので(Ahn ほか, 2019)、8〜9点なら大丈夫だと片づけるより、どの質問が高かったかを見てみましょう。11点なら、診断を受けたのではなく、だれかに話してみるサインがついたと読めば十分です。
次に、2週間ほどあけて、似た状況でもう一度してみてください。GAD-7はこの2週間をたずねるので、それより頻繁にすると同じ期間を重ねて測ることになります。一度の1〜3点の差より、何回かを通した方向と、4点以上動いたかどうかを見てください(Toussaint ほか, 2020, 要旨による)。
三つ目に、点数に入らないことも書き留めてみてください。GAD-7はこの2週間に症状がどのくらいあったかだけをたずねるので、心配が何か月続いているか、何を避けるようになったか、仕事や人間関係にどのくらい支障があるかは点数に入りません。診断の面接では、こうしたこともあわせて確かめます。
四つ目に、合計が10点以上のとき、または点数にかかわらず心配や緊張が2週間以上続くとき、不安のために避けることが増えたり生活に支障が出たりしているときは、専門家に相談してください。日本ではかかりつけ医や精神科・心療内科、保健所や精神保健福祉センターの相談窓口から始められます。「このチェックをしてみたら、こういう点数でした」と切り出すと話しやすくなります。初めての受診の流れは初めての精神科にまとめています。
こんな使い方はしないでください。GAD-7の点数だけで自分やほかの人が不安症だと決めつけたり、反対に点数が低いからとつらさを無視したりしないでください。心配性であることと不安症は同じではなく、点数が高い理由が不安ではなく、うつや体の問題であることもあります。診断は、専門家が面接でいろいろな情報をあわせて見て行います。
不安のセルフチェック(GAD-7)の正確さについてよくある質問
Q. GAD-7は信頼できる検査ですか? A. 不安の症状をスクリーニングする道具としてはよく研究されています。48研究、19,228人をまとめたコクランのレビューのうち、全般不安症を調べた35研究では、10点の目安は全般不安症のある人の64%を見つけ、ない人の91%を除外しました(Aktürk ほか, 2025)。ただしスクリーニングの道具なので、点数だけで診断はしません。mind.ioのチェックも同じ7つの質問と採点のしかたを使っています。
Q. 10点以上なら不安症ですか? A. それだけではわかりません。全般不安症が12%と仮定した研究者の例の計算では、10点以上の人のうち実際に全般不安症なのは半分ほど(49%)にとどまり(Aktürk ほか, 2025)、韓国の研究では36.3%でした(Ahn ほか, 2019)。それでも10点以上は、今の状態を専門家に相談してみる価値のあるサインです。全般不安症でなくても、うつや別の不安などのつらさがあるかもしれないからです。
Q. 9点以下なら大丈夫ですか? A. そうとは限りません。感度64%をそのまま当てはめると、全般不安症のある人100人のうち36人ほどは10点未満になります(Aktürk ほか, 2025)。心配や緊張が2週間以上続いたり、日常がつらかったりするなら、点数にかかわらず助けを求めてかまいません。
Q. 開発研究では89%だったのに、なぜ数字が違うのですか? A. 89%と82%は、米国のプライマリケアの患者965人(全般不安症73人)を調べた一つの研究の結果で(Spitzer ほか, 2006)、64%と91%は多くの国の35研究をまとめた平均です(Aktürk ほか, 2025)。だれをどの面接と比べるかで数字は変わり、研究どうしの差も大きいのです。
Q. 8点から気にしたほうがいいと聞きました。 A. 韓国の研究では8点がもっともバランスのよい目安で(Ahn ほか, 2019)、研究をまとめると7点がそうでした。ただし目安を下げると、陽性になった人のうち実際に全般不安症である人の割合は下がります(Aktürk ほか, 2025)。mind.ioは10点を目安にしていますが、8〜9点も軽く流さずに見てみてください。
Q. パニックや社交不安もGAD-7でわかりますか? A. 研究によって違います。米国のプライマリケアの研究では、こうした不安を見分けるのにも役立ったという報告がありますが(Kroenke ほか, 2007, 要旨による)、研究をまとめると不安症全体を見つける感度は48%で(Aktürk ほか, 2025)、韓国の研究者も不安症全般(全般不安症を含む)のスクリーニングに使うことには注意をすすめています(Ahn ほか, 2019)。パニック発作や社交不安のガイドもあわせて読んでみてください。
Q. 前回と点数が違います。どちらが正しいのですか? A. どちらも、それぞれの時点までの2週間を反映した点数です。1週間以内にもう一度答えた人の二つの点数はよく一致しましたが(Spitzer ほか, 2006)、1〜3点の差はその日の調子でも生じえて、意味のある変化は4点ほどと推定されています(Toussaint ほか, 2020, 要旨による)。一度の差より、何回かを通した方向を見てください。
Q. どのくらいの間隔でやり直せばいいですか? A. GAD-7はこの2週間をたずねるので、2週間ほどの間隔が合っています。mind.ioの結果の画面から、2週間後のカレンダーのリマインダーを作れます。15点以上なら、結果の画面は、ひとりで様子を見るより専門家に相談しながらもう一度確かめることをすすめています。
Q. つらすぎて、自分を傷つけたい気持ちまであります。 A. 一人で抱えないでください。すぐに相談窓口(よりそいホットライン 0120-279-338、24時間・無料)に連絡してください。今すぐ命の危険があるときは、119(救急)または110(警察)に連絡してください。
参考文献:Ahn, J.-K., Kim, Y., & Choi, K.-H. (2019), The psychometric properties and clinical utility of the Korean version of GAD-7 and GAD-2, Frontiers in Psychiatry 10, 127, https://doi.org/10.3389/fpsyt.2019.00127; Aktürk, Z., Hapfelmeier, A., Fomenko, A., Dümmler, D., Eck, S., Olm, M., Gehrmann, J., von Schrottenberg, V., Rehder, R., Dawson, S., et al. (2025), Generalized Anxiety Disorder 7-item (GAD-7) and 2-item (GAD-2) scales for detecting anxiety disorders in adults, Cochrane Database of Systematic Reviews 2025(3), CD015455, https://doi.org/10.1002/14651858.CD015455; Kroenke, K., Spitzer, R. L., Williams, J. B. W., Monahan, P. O., & Löwe, B. (2007), Anxiety disorders in primary care: Prevalence, impairment, comorbidity, and detection, Annals of Internal Medicine 146(5), 317-325, https://doi.org/10.7326/0003-4819-146-5-200703060-00004; Lee, S.-H., Shin, C., Kim, H., Jeon, S. W., Yoon, H.-K., Ko, Y.-H., Pae, C.-U., & Han, C. (2022), Validation of the Korean version of the Generalized Anxiety Disorder 7 self-rating scale, Asia-Pacific Psychiatry 14(1), e12421, https://doi.org/10.1111/appy.12421; Micoulaud-Franchi, J.-A., Lagarde, S., Barkate, G., Dufournet, B., Besancon, C., Trébuchon-Da Fonseca, A., Gavaret, M., Bartolomei, F., Bonini, F., & McGonigal, A. (2016), Rapid detection of generalized anxiety disorder and major depression in epilepsy: Validation of the GAD-7 as a complementary tool to the NDDI-E in a French sample, Epilepsy & Behavior 57, 211-216, https://doi.org/10.1016/j.yebeh.2016.02.015; Muramatsu, K., Maeda, S., Miyaoka, H., Kamijima, K., Muramatsu, Y., Tanaka, Y., Hosaka, M., Miwa, Y., Fuse, K., Yoshimine, F., et al. (2025), Diagnostic performance of the Japanese version of the GAD-7 in primary care and comparing its accuracy with other language versions, Medical Research Archives 13(1), https://doi.org/10.18103/mra.v13i1.6247; Plummer, F., Manea, L., Trepel, D., & McMillan, D. (2016), Screening for anxiety disorders with the GAD-7 and GAD-2: A systematic review and diagnostic metaanalysis, General Hospital Psychiatry 39, 24-31, https://doi.org/10.1016/j.genhosppsych.2015.11.005; Spitzer, R. L., Kroenke, K., Williams, J. B. W., & Löwe, B. (2006), A brief measure for assessing generalized anxiety disorder: The GAD-7, Archives of Internal Medicine 166(10), 1092-1097, https://doi.org/10.1001/archinte.166.10.1092; Toussaint, A., Hüsing, P., Gumz, A., Wingenfeld, K., Härter, M., Schramm, E., & Löwe, B. (2020), Sensitivity to change and minimal clinically important difference of the 7-item Generalized Anxiety Disorder Questionnaire (GAD-7), Journal of Affective Disorders 265, 395-401, https://doi.org/10.1016/j.jad.2020.01.032; Wild, B., Eckl, A., Herzog, W., Niehoff, D., Lechner, S., Maatouk, I., Schellberg, D., Brenner, H., Müller, H., & Löwe, B. (2014), Assessing generalized anxiety disorder in elderly people using the GAD-7 and GAD-2 scales: Results of a validation study, The American Journal of Geriatric Psychiatry 22(10), 1029-1038, https://doi.org/10.1016/j.jagp.2013.01.076
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